ビジネス

2022.04.16 18:00

ミラノの巨匠ジョルジオ アルマーニ、究極のカジュアルセットアップ


森岡:しかもこのセットアップは、スーツのように、揃いで販売されているのです。

小暮:それは潔い! これは上下で着てくださいというのが彼の提案なのでは。しかも素材がウールというのがいい。

森岡:普通、カジュアルなセットアップではシャカシャカという感じの機能系の素材が多いですからね。それも着やすいのですが、今回のようにウール素材のほうがラグジュアリーで洗練された感じがします。

小暮:そうですね。森岡さん、実は私、最近、夏のTシャツでもウール素材のものを好んで着ています。吸湿性もありますし、消臭効果もあるので、とても便利。ウールは天然の機能素材ですから。

森岡:それは意外ですね。「ジョルジオアルマーニ」のコレクションにもウール素材のTシャツはあるのでは?

小暮:昨シーズン、日本限定のコレクションとしてカシミアのコレクションが発表されましたが、そのなかにカシミア素材のTシャツがありました。「カシミアのネイビーのTシャツは私のユニフォーム」とアルマーニ自身が語っていました。

森岡:彼がいつも着用していた無地のネイビーTシャツはカシミアだったのですね。

小暮:そう、ネイビーカラーは定番商品でしたよね。素材を生かしたデザインはアルマーニの真骨頂。カジュアルなデザインでもウール素材に入ったドレープがとにかく美しい。これが品格というもの。肌触りも心地よくリラックスできる。

森岡:昨今のストリート化されたメンズファッションのトレンドに一石を投じるような、エターナルな魅力をもった“大人な”セットアップというわけですね。

小暮:その通りです。


森岡弘◎『メンズクラブ』にてファッションエディターの修業を積んだ後、1996年に独立。株式会社グローブを設立し、広告、雑誌、タレント、文化人、政治家、実業家などのスタイリングを行う。ファッションを中心に活躍の場を広げ、現在に至る。

小暮昌弘◎1957年生まれ。埼玉県出身。法政大学卒業。82年、株式会社婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。83年から『メンズクラブ』編集部へ。2006年から07年まで『メンズクラブ』編集長。09年よりフリーランスの編集者に。

photograph by Masahiro Okamura | text by Masahiro Kogure fashion direction by Hiroshi Morioka | edit by Akio Takashiro

この記事は 「Forbes JAPAN No.092 2022年月4号(2022/2/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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