同行のエコノミストは、米国経済が「来年末から2024年初めにかけての連邦準備制度理事会(FRB)の追加引き締めによって大きな打撃を受ける」と予測し、同時に「2四半期のマイナス成長と1.5%以上の失業率の上昇」が起こると述べた。
ロシアがウクライナへの侵攻を続ける限り、「景気後退とスタグフレーションが深刻な脅威となるだろう」と、ムーディーズ・アナリティックスのチーフエコノミスト、マーク・ザンディは述べ、そのリスクが「不快なほど高い」と付け加えた。
ゴールドマン・サックスのアナリストも同様な警告を発し、1970年代に起きたスタグフレーションが、その最も「明確な例」にあげられると直近のノートで述べた。
ニューヨーク連邦準備銀行の元総裁でエコノミストのウィリアム・ダドリーは先週、中央銀行が「インフレ抑制に出遅れすぎ」ており、ジェローム・パウエルFRB議長もソフトランディングについて「楽観的すぎる」ため、景気後退は「事実上不可避」だと指摘した。
一方、ローレンス・リンゼー元FRB理事は4日のインタビューで、中央銀行の措置がインフレ抑制からほど遠く、消費者が大幅な支出削減を余儀なくされると予想し、早ければ今夏にも景気後退に陥ると述べた。
一部の専門家は警鐘を鳴らしているが、アナリストの大半は来年に景気後退が起こる可能性はまだ低いと言っている。原油価格の高騰や金利の上昇が市場を揺るがしているにもかかわらず、企業収益や個人消費は堅調に推移しており、「景気後退を回避することができる」と彼らは述べている。
アルファベット株とマイクロン株は買い
先月のムーディーズ・アナリティックスのレポートによると、インフレによる物価上昇で、米国の平均的な家庭は毎月296ドルの追加負担を強いられているという。
ゴールドマンのアナリストは、市場の不確実性を乗り切るために、高成長・高収益の株式を推奨している。同社の推奨銘柄には、グーグル親会社のアルファベットや半導体のマイクロンといったハイテク株のほか、出会い系アプリのマッチや決済大手のマスターカードが含まれている。
また、ドラフトキングスやカーバナ(Carvana)、ドアダッシュなど、収益性の低い企業数社からは手を引くよう投資家に警告している。