ビジネス

2022.03.19 08:00

登山アプリYAMAPが導入した「腐るポイント」とは


ネットの世界からリアルへ


YAMAPを使って山に登り、DOMOを貯めて使えば使うほど、登山道を含めた山の環境がよくなる。「共通の趣味を持つ人のためのコミュニティをつくり、その熱を集め、そこに流通する価値を、山の環境をより良くするために投資する」という、同社がつくりあげてきたエコシステムは、DOMOによってより具体的に、現実世界に影響を与えはじめている。
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元々、起業に興味があったわけではないという春山。尊敬する起業家には、アフガニスタンの復興に生涯をかけた医師の中村哲氏の名前をあげる。中村医師は一般的な視点からは起業家とは言えないかもしれないが、その業績は春山が目指すものに重なっている。

「気候危機が高まっている今、インターネット空間だけに閉じることなく、実際の風景を美しくしていく仕事、山を豊かにしていく仕事をしていきたい。中村哲さんがペシャワール会の活動を通してアフガニスタンのガンベリ砂漠に用水路を建設し、砂漠を緑野に変えたお仕事から学ぶべきものがたくさんあると思ってます。インターネットやテクノロジーを活用しながら、人間だけでなく多くの生物が暮らせる場を流域ごとにつくっていきたい。『人類が豊かになること』と『山や環境が豊かになること』をつなぐ仕事を、場づくりを通じて始めていきたい」
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人間の暮らしの延長に山がある。そして、山の恵が暮らしにつながっている。そんなことを、ハードルを低くして体験できる場所をつくりたいのだという。これからも春山のチャレンジは続く。

文=尾田健太郎 構成=田中友梨 撮影=小田光二

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