「ユーザーの多くが、ウーバーやリフトの代替として我々を利用していた。これまで、10人以上のグループが目的地まで行けるサービスがなかったのだ。複数の車両を使うと環境に悪影響を及ぼし、渋滞の原因にもなる上、ユーザー体験も劣悪だ」とアイオミは話す。
この経験から、彼らは2020年8月にライドシェアサービス「Fetii」を立ち上げた。社名のFetiiは、南太平洋の言葉で「家族の延長」を意味するという。15人乗りのバンでグループ向けの配車サービスを提供する同社は、エンジェル投資家からの資金に加え、WeFunder上のクラウドファンディングのキャンペーンを通じた資金調達に乗りだした。
キャンペーン開始からの1週間で、調達金額は目標額の50万ドル(約5800万円)の約半分に達している。参加者は、最低250ドルからの出資で、転換社債の一種であるコンバーチブルノートを入手できる。
Fetiiは現在、テキサス州のオースチン、ラボック、カレッジステーションでサービスを展開しており、同社は新たな資金で提供エリアを拡大し、将来的には海外進出を目指すという。
Fetiiはテクノロジープラットフォームであり、自社では車両を所有しない。アイオミによると同社の車両の80%はPSPと呼ばれる外部のパートナーのものだという。PSPはバンを保有する独立した事業体で、Fetiiの顧客にサービスを提供している。
残りの20%の車両は、レンタカー会社から供給を受けており、個人事業主のドライバーがFetiiのために運転したい場合、月額の保険料を支払えばレンタカー会社のバンを利用できる。
Fetiiの取り分は、売上の30%とされている。「当社が1回のサービス提供で得る収益は、通常のライドシェアの3倍だ。コストを抑えて、より多くの乗客を乗せることができるからだ」とアイオミは説明する。
Fetii はUPCのチェックインシステムを利用しており、乗客はスマートフォンでQRコードをスキャンすると、他の乗客との運賃の分配方法を選択することができる。
Fetiiは、自社のアピールポイントとして、サービスの利便性や効率性に加え、15人乗りバンの利用による交通渋滞の緩和や温室効果ガスの排出量削減を挙げている。現在、同社が利用している車両は内燃機関車だが、今後5年以内にEV(電気自動車)への移行を目指している。
「当社が提供するサービスは、親しい仲間たちと一緒に乗車することで、家族の延長のようなユニークな体験ができるものだ」とアイオミは語った。