ビジネス

2022.03.05

戦争、災害、パンデミック。非常時にマーケターはどう振る舞うべきか?

ウクライナ侵攻のニュースが日々、報じられている。欧米諸国などは矢継ぎ早にロシアへの経済制裁を発出。日本も決して対岸の火事ではない。

3月2日、EUは、ロシアの7銀行をSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除することを決定した。ビジネスでロシアと関わりのある日系企業は大きな影響を受ける。また、ロシアは油田と穀倉地帯を抱えており、原油や小麦の価格上昇も懸念される。

グローバル化が進んだ結果、どこかで大きな出来事が起きれば、その影響は世界中に及ぶ。このような環境に、我々は生きているのだ。

「非常時」に意識すべきことは?


人間は見たいものしか見ないため、「非常時」はめったに起こらないと楽観しがちである。しかし、世界中で異常気象が観測されるようになり、新型コロナウイルスのパンデミックが終わりなく続き、徐々に「非常時」が日常に近づいている。

東日本大震災のあと、企業の広告がACジャパンの公共広告に変わったように、あるいは、コロナの感染拡大により大勢が一堂に集えなくなったように、非常時には、広告出稿やイベント開催も多大な影響を受ける。

そんな時、マーケターはどう振る舞うべきか。従来の手段を失った際に、顧客とどうコミュニケーションを取るべきなのか。

IT大手のオラクルのブログ記事「危機や世界的な出来事の際のコンテンツマーケティング」にあったヒントを紹介したい。記事では、重要なポイントとして以下のキーワードを挙げている。

・冷静になること
・量より質
・トーン
・共感と感性
・チームメイトからのフィードバック

噛み砕くと、派手なマーケティングは慎み、今起きていることを真剣に受け止め、それをコンテンツに反映させる。状況を鑑みて、役に立つ質の高いコンテンツを意識する。書き手が置かれている状況を反映したトーンとする。読者に寄り添った言葉遣いや画像を意識する。トーンや関連性、適切さについて必ず第三者に確認してもらう。記事では、これらを意識すべきであると主張している。

コロナ禍のマーケティングにヒントあり


非常時には、SNSを中心に情報流通量が増える傾向にある。今回のウクライナ侵攻を受けて、関連情報の海に潜り続けているという友人知人は筆者の周りに多い。そして誰もが、悲しみに暮れている。

そんな時、明るいトーンのメールマガジンが大量に送られてきたら、受け手はどう思うか。状況に合っている、あるいは自分に合っているとは到底思えないだろう。マーケターは、いつだって相手に寄り添うことが求められる。

コロナ禍では、いくつか好事例がみられた。
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文=田中森士

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