今回の調達ラウンドには、既存出資元のセコイア・チャイナやコインベースの投資部門、タイガー・グローバル・マネジメント、さらに暗号通貨ヘッジファンドのパンテラ・キャピタル(Pantera Capital)らも参加した。
アンバー・グループは、昨年6月に行われた前回の調達ラウンドでユニコーンの地位を獲得していた。同社は今回の調達資金を、欧州と米国における機関投資家向けのクリプトビジネスをサポートするための増員に使用する予定という。また、この資金は、同社の投資プラットフォームをグローバルに拡大するためにも使用される。
2019年のフォーブスの「30アンダー30アジア」に選出された同社の共同創業者でCEOのマイケル・ウーは、声明の中で「私たちは、デジタル資産が人々に機会と権限を与え、すべての人にとってより良い世界を形作ることができる、デジタルの未来を作る手助けをしたいと考えている」と述べている。
報道によると、アンバー・グループは来年、米国でIPOを検討しているとされている。2017年にモルガン・スタンレー出身のクオンツ・トレーダーたちによって設立された同社は最近、ホームオフィスを香港からシンガポールに移転した。シンガポールは、2020年初頭に導入された、取引所が営業ライセンスを申請できる制度のため、暗号通貨ビジネスに優しい国とされている。
暗号通貨の取引や投資プラットフォームを提供するアンバー・グループは、累計1兆ドル以上のトランザクションを処理し、50億ドル以上のデジタル資産を管理しているとされる。
同社は、アジア、ヨーロッパ、アメリカで事業を展開しており、オーストラリア、スイス、イギリスの規制当局からの承認を受けている。また、最近では、日本の規制当局の認可を受けた取引所であるディーカレット(DeCurret)を買収し、日本に進出した。