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2022.02.22 11:30

時間外は部下に連絡禁止 欧州で法整備進む

G-Stock Studio / Shutterstock.com

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世界では今、被雇用者にとってルネサンスとも呼べる状況が起きている。人手不足の深刻化により、従業員の採用と保持のためあらゆる策を取る必要に迫られている企業各社は、大学の学費支援や遠隔勤務、ハイブリッド勤務、フレキシブルな勤務などを提供。従業員の心の健康や燃え尽き症候群の防止にも気を配っている。

新型コロナウイルスの流行が始まってから、人々の労働はかつてないほど長時間化した。最初の1年半は特に、自宅に缶詰めとなったことや、成果を出すことへのプレッシャー、仕事を失うリスクがその要因となった。夜や週末でも、電話やテキストメッセージ、電子メール、スラックのメッセージ、ズーム会議に応じることが期待され、従業員には大きな負担になった。

ベルギーでは今月から、労働者の生活の質を向上させる取り組みとして、連邦政府の公務員は労働時間外に上司の電話やメールに返答する義務をなくす新法が施行された。公務員は今後、時間外に受けた連絡に応じなかったからといって、罰則や異なる待遇を受けないことが保証される。ただし、「例外的で予測できない状況では、次の勤務日を待たずに行動を取る必要がある」とされている。

ベルギーの公共サービス関連相を兼務するペトラ・デステル副首相は、ストレスや燃え尽き症候群を「現代に実在する病気」と表現。公務員に仕事を離れる権利を与えることで、「過剰な仕事のストレスや燃え尽き症候群」を抑えられるとの見解を示した。

ベルギーと同様、ポルトガルでも以前、「不可抗力の場合を除き、雇用主は勤務時間外の従業員への連絡を控える義務がある」と規定する労働法が制定された。対象となるのは、オフィス勤務と遠隔勤務の両方だ。雇用主が従業員のプライバシーを侵害することは重大な罪と見なされ、違反した上司は罰金を科される可能性がある。

欧州はこの面で、米国よりはるかに進んでいる。仕事を離れる権利を初めて認めたのは2016年のフランスで、その後はイタリアが17年、スペインが翌年に続いた。アイルランドは21年、全ての従業員に対し仕事を離れる権利を保証した。

編集=遠藤宗生

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