ビジネス

2022.02.11

待望の「ロボタクシー」始動のGMとクルーズが直面する課題

GMのメアリー・バーラCEO(Photo by Bill Pugliano / Getty Images)


一方で、TuSimpleやウェイモ、Gatik、Aurora、Embarkなどが開発中の自動運転トラックによる輸送や配送サービスの方が、ロボタクシーよりも早く普及すると見られている。

その理由としては、混雑した都市部の道路よりも高速道路の方が単純であることや、長距離トラック運転手の不足を補う必要性が大きいことが挙げられる。

ヴォグトは、2013年のクルーズ設立以来、8年間に渡ってCTO(最高技術責任者)と社長を兼任していたが、昨年12月に前CEO、Dan Ammannの退任に伴って後任に指名された。

報道によると、AmmannはIPO計画を巡り、GMのメアリー・バーラCEOと対立していたという。GMのマーク・ルース社長は、12月17日に行われたCNBCのインタビューの中で、ヴォグトのCEO就任により、GMとクルーズは事業計画について意見が完全に一致したと述べている。

年間の損失は12億ドル


GMを始め、クルーズの株主たちは、自動運転技術の将来性に大きく賭けている。しかし、今のところクルーズはGMにとって財務的な重荷となっている。クルーズの2021年第4四半期の営業損失は3億4900万ドルだった。

また、通期の営業損失は12億ドルと、前年の損失8億8700万ドルから悪化している。

ヴォグトは、CEO就任後初のインタビューで次の様に述べている。「我々は、数年先まで素晴らしい計画を策定している。その実行に当たっては、クルーズ取締役会だけでなく、GMの経営陣や取締役会からも、全面的な支持を得ており、現状の立ち位置について大変満足している。我々の使命や目的は以前から何ら変わっていない」

クルーズは来年、GMから専用EVバン「Origin」の供給を受け、サービス用車両に加える予定だ。ヴォグトによると、この車両はラッシュアワー時にはロボタクシー用に、需要が低い時間帯には食料品や食品の配達用に使用するなど、1日に2つの業務をこなすことで収益の最大化を図るという。

クルーズは、Originの車内にスライドして出し入れが簡単にできる貨物モジュールを開発し、昨年11月に公開した。このモジュールは、食料品や食品の配達用に8つの断熱されたロッカーを備えている。

翻訳=上田裕資

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