私にとってサウナ時間は、いまや完全に社交の機会と化している。私だけでなく、多くのビジネスマンがサウナを社交に活用している。いったいなぜ「サウナ」なのか?
上下関係のない、究極の平等社会
ビジネスシーンに急に台頭してきた、このサウナという文化。ゴルフやマージャンとのいちばんの違いは、とにかくその平等性だろう。年上も年下も会長職も学生も平等に、同じ熱を感じ、同じ水の冷たさを感じ、同じ外気でととのう。また、基本的にそこまで高額なものではないので誰でもエントリーしやすく、そして上手い下手の概念が存在しない。勝ちも負けもないのだ。さらに、裸であることから心理的なバリアが取っ払われやすい。
加えて、「ととのった」状態は究極に頭がさえた状態になるため、サウナ後に一緒にご飯を食べながらするビジネスの話は、とても有意義な話になる。すでに裸の付き合い済みなので、普段しづらいような相談だってしやすくなるものだ。
頭が最高にクリエイティブになれて、相手との心のバリアのない状態。「今度サウナ行きませんか?」となるのも頷ける。
実はそんな今日も、仕事関連の友人とサ旅(サウナを目的にした旅行)で熊本に来ている。全国でも有名な「湯らっくす」を堪能した後、地元サウナーに教えてもらった「あがんなっせ」のサウナの素晴らしい外気浴体験に感動しつつ、一足先にリラックススペースで彼らがサウナから出てくるのを待ちながら、ととのった頭で執筆しているいまである。
なかやま・りょうたろう◎マクアケ代表取締役社長。サイバーエージェントを経て2013年にマクアケを創業し、アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」をリリース。19年12月東証マザーズに上場した。