ダイモンは「ワクチン接種を受けないのなら、この(ニューヨークの)オフィスで働くことはできない。オフィスで働かない従業員に給与は支払わない」と述べ、従業員に対して接種をあらためて呼びかけた。
ロイター通信によると、シティは米国の従業員に対して、今月14日までに接種を済ませなければ「無給休暇扱いとし、特例として認められない限り月末で解雇する」と通知した。米国の主要投資銀行でこうした方針を打ち出したのはシティが初めてだった。背景には、バンカーやブローカー、トレーダーらのオフィス勤務再開に積極的な金融業界の姿勢がある。
新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の急速な拡大を受けて、ワクチン接種に厳しい態度で臨んでいるのはウォール街に限らない。
従業員にワクチン接種を義務づけているユナイテッド航空のスコット・カービーCEOは、それに従わなかった従業員200人を解雇したことを明らかにした。
CNBCによると、グーグルは従業員に対して今月18日までにワクチン接種規則に従うよう求めている。従わなかった従業員は30日間の有給休暇のあと、最長で半年間、無給休暇とし、最終的には解雇するとしている。
マネー誌によると、大手医療機関のメイヨー・クリニックは、ワクチン接種義務に従わなかった職員ら700人超を解雇した。ほかにも多くの医療機関が接種義務に従わなかった医療従事者らの解雇に踏み切っている。
タイソン・フーズも、米国の従業員約12万人全員に接種を義務づけている。ドニー・キングCEOは従業員向けの文書で、「デルタ株」やほかの変異株が国内で急速に広まるおそれがあるなか、「自分自身や家族、コミュニティーを守るために、わたしたちにできる最も有効なことがワクチン接種なのは火を見るより明らかだ」と述べている。
その4カ月後、オミクロン株が米国に上陸した。パートタイムを含めると約50万人の従業員をかかえる国内最大級の雇用主クローガーは、「バイデン政権のワクチン接種義務づけが法的問題に直面するなかで接種を奨励する措置」として、未接種の従業員には新型コロナ関連の給付を打ち切ることを決めた。
アップルやグーグル、メタ、フォード・モーター、ウーバー、リフトなど、多くの企業はオフィス勤務再開の時期も見直している。