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100年の歴史を持つ「カミンズ(Cummins)」は、ディーゼルなど化石燃料で駆動するトラックエンジンの最大手メーカーだ。スコットランドのグラスゴーで開催された気候変動対策を協議する会議「COP26」に出席した同社のトム・リネバルガー(Tom Linebarger)CEOは、パートナー企業や顧客に対し、二酸化炭素の削減を図るため、バッテリーや水素で駆動する車両への転換を支援する方針を表明した。

乗用車市場ではEV(電気自動車)のシェアが拡大中だが、今後は物流トラックや建設車両、鉱山用重機などの大型商用車や、電車、船舶、航空機のEV化が進むと予想されている。リネバルガーによると、現状では軽量自動車と大型車両では異なる電動パワートレインが必要だという。

「気候変動は危機的問題であり、バッテリーの方が燃料電池より優れているといった議論は不毛だ」とリネバルガーはグラスゴーで述べた。

今やEVの代名詞となったテスラのイーロン・マスクCEOは、バッテリーに比べて水素燃料は効率が悪く、水素と酸素から電池を作る燃料電池スタックは高コストだとして、水素の利用を強く批判している。しかし、長距離を走行するトラックや商用車のメーカーは、重量が数トンあり、充電時間が長いリチウムイオン電池が最適なソリューションだとは考えていない。マスクは、スペースXのロケットにはバッテリーでなく、灯油と液体酸素を利用しているが、これは温暖化の原因となる黒い炭素粒を排出する。

COP26の主要テーマは、脱石炭だった。共同宣言の草案では、化石燃料への補助金の段階的廃止が盛り込まれ、歴史的な突破口になると思われたが、石油会社やガス会社が補助金の維持を求めたため、2回目の草案では表現が弱められた。

バッテリーが電気を蓄えるのとは異なり、燃料電池は水素と酸素の化学反応によって必要な電気を発電し、副産物として生成されるのは水のみだ。インディアナ州コロンバスに本拠を置くカミンズ以外にも、トヨタや日野自動車、現代自動車、ボルボ、ダイムラー、ニコラ、ゼネラルモーターズ、ナビスターなどが大型車両に水素燃料電池を搭載しようとしている。

編集=上田裕資

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