たいていの人は対立をネガティブに捉えるものなので、この結果は驚くにはあたらない。だが、回避しても事態は改善しないし、むしろたいていは悪化する。問題がエスカレートし、不満が蓄積し、やがて人々は仕事への意欲を失っていくのだ。
同僚の迷惑行為について上司に話をしたい時もあるだろう。あるいは、チームの誰かが、自分の役割を果たしていない場合もあるだろう。
欧州経営大学院(INSEAD)教授で、人事・組織開発を専門とするジャン=フランソワ・マンソーニ(Jean-Francois Manzoni)によれば、重要なのは、こうした会話を「より良い結果、つまり自分にとっても、話す相手にとっても、苦痛を軽減する結果」につなげる方法を知ることだ。職場での難しい会話を成功させ、人間関係を破綻させないための、いくつかのコツを以下に紹介しよう。
気が進まないからといって、先送りしない
やっかいな会話は、時間が経つほどますます困難になっていく。しかも、時間が経つほど不安が蓄積し、問題が悪化する。
アップルの共同創業者スティーブ・ジョブズはかつて、「私の仕事は人に優しくすることではない。私の仕事は、わが社のすばらしい人々を鼓舞し、さらなる高みに到達させることだ」と述べた。だから、定期的なフィードバックを習慣づけて、問題が生じたらすぐに報告するようにしよう。
ポジティブな姿勢で対処する
話す前から緊張しすぎないように、マインドセットを切り替えよう。ただの、よくある職場での会話のひとつだと思えばいい。話し合いはきっとうまくいく、と考えるべきだ。自信をもって臨み、単刀直入に話そう。ポジティブな姿勢で状況に対処することで、ポジティブなエネルギーをもたらすことができる。
日常的に「難しい会話」を行う
フェイスブックの最高執行責任者シェリル・サンドバーグは社員たちに、少なくとも週に1度は難しい会話をするように促している。ふだんからこうした会話をしておかないと、成長しないと考えているからだ。
難しい会話をすることで、企業が抱える不都合な問題は否応なく表面化し、それは、会社として問題解決にあたるのに役立つ。このことは、職場での多様性や、賃金の不平等といった重要な問題に、とりわけよくあてはまる。