理由は何であれ、現在の職場で昇給を願い出たことがある従業員は37%にすぎないことが、報酬情報サイト「ペイスケール」が実施した調査で明らかになっている。働く人の大半は、給料が上がるかもしれないのに、チャンスをみすみす逃しているのだ。
しかし、いい知らせがある。昇給を願い出れば、勝算はあるのだ。同じペイスケールの調査では、昇給を願い出てそれが聞き入れられた従業員の割合は70%だった。つまり、昇給してほしいと上司に頼んだことが一度もないなら、ぜひ願い出るべきだ。給与を上げてほしいと口にするのは緊張するだろう。けれども、事前にちょっとした準備をして交渉に臨めば、うまく話を切り出せるはずだ。
入念に下調べする
話し合いの前に、自分の職務の給与水準を把握しておこう。また、自分が持つスキルや経験が、業界では一般的にどの程度の値打ちがあるのかを調べておくこと。給与比較・求人検索サイト「グラスドア」や「Salary.com」などのウェブサイトを利用するといい。働いている分野のリクルーターなどに相談するのも一案だ。自分の業績を数値化し、会社の目標達成に直接どう貢献しているのかに焦点を絞ろう。
それから、給与幅を提案し、昇給されてしかるべき理由を論理的に説明する。忘れてはならないのは、友好的な姿勢で臨むことだ。ディクソン・コンサルティング(Dixon Consulting)の創業者でプリンシパルのケイト・ディクソン(Kate Dixon)は、「友好的に話し合うことが大事だ。給与の交渉とは、勝ち負けを決める戦いではない。希望が聞き入れられなければ交渉を打ち切る、という対立的な姿勢を見せたら、全員がぴりぴりしてしまう」と話す。
自分の実績をアピールしたら、話題を変え、今後はどういった姿勢で仕事に取り組んでいきたいのかを話そう。そうすれば、上司はあなたの成長と会社の将来に投資していると思えるようになる。