ロンドンの調査企業CCS Insightは、アップルが他のスマホメーカーに先駆けて機能を削減する試みを続け、おそらくiPhone 15と呼ばれることになる端末で3Gを廃止すると予測した。
アップルは、他社に先駆けて3.5mmヘッドフォンジャックを旗艦モデルから取り除いた企業であり、CCS Insightは、同社が古びたモバイル通信規格に対しても同様に冷酷な態度を取ると考えている。CCS Insightのチーフアナリストのベン・ウッドは、「モバイルオペレーターの中には、4Gや5Gに移行して3Gの周波数帯を再利用したいと考えているところもあるが、これは非常に理にかなった動きだ」と述べている。
ウッドによると、3G対応を廃止すれば、3Gのライセンス費用が削減できることに加えて、iPhone内部のアンテナを簡素化することでさらなるコスト削減が見込めるという。「当社は、それが2023年の新型iPhoneになると考えている」と彼は述べている。
iPhoneの3G対応の停止は、今でも3Gの電波に依存している過疎地のユーザーには悪いニュースだが、ウッドはその動きが、通信ネットワークのアップグレードを促進することになると述べた。「アップルのような企業がiPhoneから3Gを取り除くことを決めれば、ネットワーク事業者には大きなプレッシャーになる」と彼は指摘した。
消費者の行動の変化
CCSはさらに、アップルをはじめとする大手スマホメーカーが、消費者や規制当局からの圧力を受けて、自社の端末を現在よりも修理しやすくすると予測している。
CCSの独自調査によると、欧州のスマホの所有者の半数は、メーカー保証を受けられない端末の修理を希望しているが、アップルなどの大手メーカーは、サードパーティの修理業者へのスペアパーツの供給を拒否するなどして、その実現を困難にしている。
一方で、環境意識の高まりから、リファービッシュモデル(正規の再生端末)の需要も高まると考えられる。CCSは、2025年までに西ヨーロッパにおけるiPhoneの販売台数の3分の1が再生品になると予測している。
「今から数年後に、消費者が新品のスマホを使用することが、以前ほどクールではないと考えるようになったら、何が起こるだろう」と、ウッドは述べている。
アップルがiCloudやアップルミュージックなどのサービスから得ている収益は、他のメーカーよりも多く、新品の売上が減っても、アップルは有利なポジションに立てるとウッドは指摘した。「アップルは、人々が新品の購入のペースを落としても、それにうまく適応できるかもしれない」と彼は述べている。