パターン別感染シミュレーション比較
Washington Postの記事に説明が分かりやすく掲載されていましたので、ご紹介します。
シミュレーションの前提
記事の中では架空の病気「シミュライタス」について、さまざまな条件下での感染速度についてシミュレーションを行っています。
「シミュライタス」は、前提として以下の特徴を持っています。
シミュライタスはとても感染しやすく、健康な人(水色)が感染者(オレンジ色)と接触すると、健康な人は感染する
回復した人(紫色)から健康な人へ感染することも、感染者と接することで再感染することもないと仮定する
シミュレーション 1
人口200人の町で「シミュライタス」の感染が拡大した時にどのようなことが起きるか。
町の住人全員を無作為に配置し、無作為な角度で動かし、その中の1人を感染者とした場合の感染者数の増え方を見てみます。
感染者を示す曲線が時間の経過とともに急激に上昇し、回復者が増えるとともに次第に下降しています。
シミュレーション 2
次に、隔離措置を取った場合の感染者数の増え方について見てみます。
現実問題、完全なロックダウンの実施は難しく、健康な人たちから感染者を完全に隔離することはできません。
シミュレーション 3
ここで「ソーシャルディスタンス」の出番です。
もし人口の4分の3がソーシャルディスタンスを保つ為に活発な活動を止め、残りの4分の1が変わらずに動き続けた場合は、どのような変化が起きるか見てみましょう。
人々の活動が抑えられた結果、一度も感染者に接触することなく、健康なままでシミュレーションを終えられた人数が増えていることが分かります。
シミュレーション 4
更にソーシャルディスタンスに関するシミュレーションを深めるため、8分の1の人数が変わらずに動き続けた場合について見てみます。
シミュレーション3よりも更に、感染者数を抑え、健康な人数の割合を高く保つことができていることが分かります。
まとめ
ここまでの4つのシミュレーションは全て無作為であり、実際のサイト上で動画で再生すると毎回異なった結果が得られます。
細かい数値は異なれど、ソーシャルディスタンスを保つことは強制的な隔離措置を行うよりも、はるかに効果が高いということが分かりました。
シミュレーション1〜4の曲線図を比較してみると一目瞭然です。
今回のシミュレーションはあくまで「シミュライタス」に関するものではありますが、無作為に動いていた点群のように、各々の行動によってどのような影響を周りに及ぼす可能性があるのか、少し具体的に想像できるようになったのではないでしょうか。
そして一点シミュレーションと大きく異なるのは、「シミュライタス」は一定期間が過ぎれば回復(完治)している前提になっていますが、新型コロナ感染症は死に至る可能性もあるということ。
このシミュレーション結果をふまえて、外出しようとしているその用事は本当にいま必要なものなのか、改めて考えてみても良いかもしれません。
この記事はPANDAIDからの転載です。
(上記の記事は、2020年3月17日に公開されたWashington Postの記事を参考にしたものです)
連載:パンデミックから命をまもるために
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