今後は、「生理の貧困」問題へのアプローチとして、少女・女性への支援を行う一般社団法人「若草プロジェクト」への商品提供なども予定している。
「吸水サニタリーショーツ」は4色展開で、サイズはXS〜3XLまで用意
ショーツは3層構造で、肌側から、速乾&防臭機能付きの生地、吸水シート、防水シートが重なっている。吸水量は30〜40mlだ。寝姿勢での「うっかり漏れ」を防ぐため、背面にも防水シートを仕込み、足ぐりやマチ部分はボンディング仕様とした。身生地にはエアリズムの生地を使用し、汗をかいても蒸れにくいのも特徴だ。
使用方法について広報は、「個人差はあると思いますが、そのまま使用しても1日中漏れずに使用できる場合もあります。経血量が多い時は、ナプキンなどの生理用品と併用していただくこともできます」と説明。洗濯は、水に30分程度つけた後に洗濯機で洗うだけ。手軽に使用できるよう工夫した。
「吸水サニタリーショーツ」のクロッチ部分。吸水後もオムツのようにかさばらない
ユニクロ グローバル商品本部 部長の炬口佳乃子によると、開発の背景にあるのは欧米のフェムテック市場の拡大。実際に吸水ショーツのユーザーが増えていることから「今後のお客さまに使っていただける商品、ユニクロの未来を担っていく商品として開発に着手しました」と話す。
フェムテックを身近な存在に
2003年からウィメンズインナーウェアに力を入れてきた同社では、「女性のバイオリズムに伴う身体の変化に向き合い、思春期(初潮、成長)、月経、妊娠、出産、病気など、あらゆるライフステージに寄り添う」ことを掲げ、消費者の声を取り入れながら商品開発をしてきた。
2014年からは女の子のバストの成長に合わせて選べる「ガールズブラ」などのインナーを、2017年には、妊娠〜産後までの身体の変化に対応する「マタニティインナー」を、2020年には病気や授乳期などで腕が上がりづらい人に向けた「前あきインナー」を発表している。今回の「吸水サニタリーショーツ」はその新たな一手となる。
世界でのフェムテックの市場規模は、2025年に500億ドルになる(Frost&Sullivan,2018)とも言われるが、日本国内ではまだまだ身近なものではない。炬口は日本国内での売上規模は“未知数”としながらも、ユニクロならではの強みが生きると見ている。
「他のブランドさんから出ている吸水ショーツは買える場所が限られていますが、当社の場合、全国の店頭で販売することで多くの方にとって身近な存在になります。ライフウェアの一部として買っていただけることこそ、我々がお客さまに提供できる価値のひとつだと考えています」。価格も、1990円と手の届きやすい“ユニクロ価格”にこだわった。
なお、ファーストリテイリンググループでは、2021年3月に先んじてGUが吸水機能付きショーツ「トリプルガードショーツ」(1490円、吸水量15〜20ml)を発表している。ユニクロの「吸水サニタリーショーツ」の開発に当たっては、GUの顧客から得た意見も参考にしたという。広報によると、GUはより低価格で若年層向け、ユニクロは幅広い年代をターゲットにしている。
「吸水サニタリーショーツ」は、9月17日から銀座店・心斎橋店とオンラインストアで先行発売、20日から全国の店舗で発売する。今後は女の子をターゲットにした「GIRLSエアリズム吸水サニタリーショーツ」(1500円)も発売予定。吸水量は25〜30ml、生地や吸水パッドはウィメンズと同じ仕様で、ウエスト部分にラメをあしらったゴムを使用する。発売時期は未定。