ドウは2020年にインスタグラム上で誕生し、当初は、ダイレクトメッセージと個人間送金アプリ「Venmo(ベンモ)」を通じて注文をとっていた。
新たに調達された資金は、オーガニックスーパー「エラワン・マーケット(Erewhon Market)」のトニー・アントシ(Tony Antoci)をはじめとする、消費財(CPG)分野のさまざまな企業幹部、起業家、投資家から集められたものだ。
ドウは、エラワンでの売上を過去6カ月で600%伸ばし、トップ級の人気デザートとなった。同社は、今回調達した資金を活用し、他の製品の開発も進める計画だ。他の製品としては、例えば、チョコレート・ヘーゼルナッツ・スプレッドブランド「ヌテラ」(イタリアを本拠とする多国籍企業フェレロの製品)のヘルシーな代替品となるスプレッド「ドリップ(Drip)」などがある。
アントシによれば、おいしさ、クリーンな原材料、消費者の人気という要素が備わったブランドは、自然と規模が大きくなるという。また、「ドウが特別なのは、その3つの要素のすべてにおいて、期待をはるかに上回っているからだ」とも述べている。
クッキーと免疫アップ成分との融合
ドウを創業したラダは、CPG分野でキャリアを積んできた人物だ。ペプシコとダイヤモンド・フーズでマーケティングアナリストとブランドマネージャーを務め、のちにベンチャーキャピタル業界に進出し、複数のD2C(Direct-to-consumer)製品のローンチを支援した経験を持っている。
ラダによれば、機能強化したヴィーガン対応のクッキードウというアイデアは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックが猛威を振るっていた時期に生まれたという。
「当時は、免疫関連分野に関心を抱く世間のトレンドが大きく勢いづいていた。そこで、『免疫力を高めるビタミンをまとめてミニサイズのチョコチップクッキーに加えたらどうだろう?』と考えた」とラダは述べる。しかし、スーパーなどでクッキーが販売されている棚が、グルテンフリーやグレインフリーの商品で飽和しているのを見て、比較的競争の少ないクッキードウの分野に向かうことになったという。