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(C)INTRINSIC

グーグルの親会社であるアルファベットは、産業用ロボットの導入やトレーニングを、パソコンを購入するのと同じくらい簡単にしたいと考えている。同社は7月23日、新事業部門のOther Bet内に、産業用ロボット向けのソフトウェア開発を行う企業「Intrinsic(イントリンシック)」社を立ち上げると発表した。

Intrinsicは、アルファベットが様々な実験的プロジェクトを行うX部門(ムーンショット・ファクトリー)からスピンオフした企業で、ロボット工学ソフトウェアとAI(人工知能)を手がけている。

産業用ロボットは、企業がより速いペースで、小さなセッティングで製品を製造することを可能にするが、トレーニングが複雑なため、ごく一部の大企業やロボット工学の専門家しか利用できないのが現状だ。

また、ロボットは限られたタスクしかこなせず、購入やセットアップ、操作に費用がかかり、場合によってはプログラマーが何百時間もかけて、特定のタスクのコードを書くことが必要になる。

このような課題に対し、アルファベットのXチームは、ロボット工学とAIの飛躍的な進歩を利用して、産業用ロボットを再構築できると考えた。彼らは、ロボット工学、コンピュータ・パーセプション、機械設計、さらには映画製作などの分野の第一人者を集めてチームを結成した。この技術のインキュベーションには5年以上を費やしており、過去にグーグルが買収したロボット企業で働いていた人材も開発に参加した。

Intrinsicは、ロボットのセンサーのデータを利用して学習を行うソフトウェアと、AIツールを開発している。同社の最終的なゴールは、産業用ロボットをより使いやすく、コストを抑え、柔軟にして、新しい製品やサービスの創出を可能にするソフトウェアツールを生み出すことだ。



収益源の多様化目指すアルファベット


Intrinsicのソフトウェアは、ソーラーパネルから自動車まで、さまざまな環境や製品に対応することが可能とされる。同社のCEOを務めるのは、以前にX部門の副社長を務めていたウェンディ・タン・ホワイトだ。彼女に加えて、AIの専門家であるトルステン・クローガーがCTOを務め、ロボット分野の最高の賞とされる「エンゲルバーガー賞」を受賞したマーティン・ヘーゲレなど、この分野の第一人者たちがIntrinsicにはそろっている。

同社は、カリフォルニア州マウンテンビューとドイツのミュンヘンを拠点としている。

アルファベットのXラボはこれまで、自動運転部門のWaymoやドローンのWing、ライフサイエンスのVerily(ヴェリリー)などのプロジェクトを「Other Bets」部門にスピンオフさせてきた。

今回の発表は、広告市場が低迷する中、アルファベットがグーグルの広告プロダクト以外の収益機会を模索する中で行われた。アルファベットはまた、WaymoやVerilyなどのX部門のスピンオフ企業が、外部からの出資を受けるための支援を行っている。

Verilyは昨年12月、シルバーレイクなどから約7億ドルを調達していた。

編集=上田裕資

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