AIソフトウェアを導入するときに考慮すべき要素

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だが、カスタマーサービスのユースケースにおけるAI検索は、かなり様相が異なる。こちらのケースでは、技術文書の検索に関係することが多い。「ナレッジ記事などの構造化されていないテキストが多く、行動データポイントが少なくなります。これは、カスタマーサービスサイトの訪問者数は通常、Eコマースプラットフォームよりも少ないからです」とグレコは言う。「ですから、このケースではおそらく、トピック・モデリングに関する自然言語処理(NLP)に基づく戦略のほうが効果的でしょう。というのも、手持ちの情報、このケースではフリーテキストから得られるゲインを最大化する必要があるからです」

使いやすさ:この点は、誰がなんと言っても重要だ。AIを使うユーザーの多くは、技術者ではない人だ。アプリケーションが複雑だったら、ほとんど採用されずじまいになる事態も容易に起こりうる。

倫理的なAI:アプリケーションの精度が高いからといって、リスクがないとは限らない。そもそものデータに内在的なバイアスがあり、それが結果を歪める可能性もある。そのため、データとその使用方法に関する説明を入手するほうがいいだろう。

AIクリアリング(AI Clearing)の創業者でCEOのマイケル・マズール(Michael Mazur)は、「AIソリューションを検証する際に見落とされがちなのが、組織に与えうる潜在的なダメージやリスクです」と語る。「このソリューションを配備したがために、組織が訴えられたらどうしますか?」

コスト:「AIベンダーにとって、貴社が特定業界における最初の顧客であるなら、貴社は非常に価値のある顧客ということになります。有利な契約を得るための交渉手段として、その立場を利用できます」

インフォテック・リサーチ・グループのアナリストで調査ディレクターのブライアン・ジャクソン(Brian Jackson)はそう述べている。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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