これを受けて、ファーウェイは昨年11月にサブブランドの「Honor(オナー)」を売却したが、これは同ブランドの「生き残りを」を確実にするための措置だった。
この計画はうまく進んだ模様だ。Honorは5月21日、米国のクアルコムとチップ供給の契約を締結したと発表した。HonorのCEOである趙明(George Zhao)は、21日に上海で開催されたライブイベント「Qualcomm China Tech Day」で、同社の独立が決まってから最初に取り組んだことの1つがクアルコムとの交渉だったと述べた。
趙によると、クアルコムは同社との合意に至る前に「厳格で徹底的な」検証を行ったという。その結果、Honorの次のスマートフォンは、クアルコムの新しいSnapdragon 778Gチップを搭載した世界初の端末になるという。
Honorの次期スマホについてはまだあまり情報が出ていないが、クアルコムは上海のイベントでSnapdragon 778Gをお披露目した。このチップは、5Gモデムと3つのISP(イメージシグナルプロセッサ)を統合した6nmチップで、処理能力の面では、クアルコムのフラッグシップモデルのSnapdragon 888に近づいている。
「当社のチームは、クアルコムと協力しSnapdragon 778Gを製品に搭載するために、通常は12か月かかるプロセスを6か月に短縮した」と趙は述べ、2社の連携が緊密だったことを示唆した。Honorはクアルコムと共同でフラッグシップとなる別のデバイスを計画しており、それは今年の夏の終わりに発表されるSnapdragon 888+になる見通しという。
Honorは、ファーウェイを悩ませていたチップの供給問題をクリアしたことになるが、こここで気になるのは、米国の制裁によるグーグルのサービスの欠如の問題だ。趙は、グーグルの名前こそ挙げなかったものの、この件についても解決済みであることを示唆した。
「当社は今年、中国以外の国での端末の発売に向けて全力を注いでいる。ソフトウェアに関しては、中国国外のユーザーのニーズを明確に把握しており、発売時には最善のソリューションを提供する」と趙は述べた。
Honorはこれまで、ファーウェイにとって縁の下の力持ち的なブランドだった。ファーウェイが2019年にアップルを抜いて世界第2位のスマホメーカーになれたのは、Honorが低価格帯とミッドレンジの端末で急成長を果たしたからだった。ファーウェイから独立し、米国製チップの供給を受け、さらにグーグルのソフトウェアを再び搭載することになれば、Honorは、過去の栄光を取り戻せるかもしれない。