ドイツに初の海外工場を建設
「2020年は、CATLにとって素晴らしい年だった。同社が世界のメーカーに供給したバッテリー容量は前年から50%近く伸びた」とアダマス社のアナリストは述べている。CATLにとって2021年は、海外メーカーとの契約を拡大し、同社のバッテリーを搭載した中国製EVの世界での販売の伸びも予想できることから、世界的ブランドとして台頭し始める年になると考えられる。
一方で、環境に優しい自動車に対する投資家の期待も高まっている。IHS Markitは、2021年のEVの世界販売台数が70%増の400万台以上になると予測している。テスラの株価は過去1年間で4倍以上に上昇し、英国のArrivalやカリフォルニア州のフィスカーなど、まだ車を走らせていないEVメーカーでさえ、公開市場で数十億ドルの評価額を獲得し、創業者はビリオネアになっている。
中国政府が市場を自由化して競争を促進し、補助金の一部を削減し始めたことで、CATLは成長のために、以前よりも海外に目を向けるようになっている。
2020年初頭にテスラの上海ギガファクトリーのサプライヤーとなったCATLは、2021年末にドイツに初の海外工場を開設する予定だ。同社の欧州における存在感は、ヨーロッパのの自動車メーカー向けの販売を拡大し、同社のバッテリーを積んだ中国製EVの海外への輸出が伸びるにつれて高まっている。
アダマス社のアナリストによると、CATLは2020年1月の時点では欧州での存在感がほとんどなかったが、2020年末には同地域で第4位のバッテリーセルのサプライヤーに成長したという。