続けて3回以上流産すると、習慣流産とみなされる。1回流産するたびに、再び流産するリスクは高くなっていくと、トミーズは説明する。推定では、流産を3回経験した人のうち、後に子どもを授かる割合は10人に6人だ。ランセットの報告書は、習慣流産を経験した人たちは、現状よりもずっと手厚い対応が必要だと強調している。検査や治療的対応は流産の原因を突き止めるために有益である可能性があるほか、流産した女性とそのパートナーは、精神的なサポートやカウンセリングへのアクセスも必要だと報告書は述べている。
ランセットの報告書は、流産を経験した人たちが、必要とする精神的・身体的なケアを確実に受けられるよう、世界全体がより一層の努力をしていかなければならないと結論している。世界全体で同レベルのケアを実施することは難しいが、報告書は、基本レベルのケアを提言している。
初めて流産を体験した人に対しては、必ず医師の診察を受けられるようにすることと、流産した人を対象にした支援や、将来的な妊娠を巡る不安を打ち消せる指導を受けられるよう、あらゆる情報を提供すべきだと提言している。
2回目の流産が起きた人に対しては、流産の治療を行う医療機関で受診するよう提案するのが最善だという。そうすれば、専門医に相談したり、血液検査や甲状腺機能の検査を受けたりする機会が得られる。また、再び妊娠した場合には、妊娠初期にスキャンを実施したり、それ以降に支援を行ったりすることも可能だ。
3回の流産を経験した場合については、上述した支援をすべて提供したうえで、遺伝子検査と超音波検査を受けるよう提案すべきだと報告書は述べている。
いまのところ、流産へのケアは、居住する地域でほぼ決まってしまう。しかし、流産に関する標準的な対応が確立されれば、妊娠中に子どもを失ったときに、医療的・精神的な支援にアクセスしやすくなるはずだ。