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2021.04.06 07:00

編集部イチオシ、スモールジャイアンツ特別賞受賞企業13社

三鷹光器はエネルギー領域にも進出し、 太陽光を熱エネルギーに変えて利用する蓄熱システムの研究開発も推進している。

日本全国には、優れた技術やアイデアで独自の価値を発揮し、社会に影響を与えている「小さな大企業」が数多く存在する。フォーブス ジャパン編集部が自信を持ってオススメする特別賞13社のビジネスモデルには、多くの会社で取り入れられる成功要素が詰まっている。

GLOCAL


KAIHO INDUSTRY 会宝産業


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本社:石川県金沢市
設立:1969年
従業員数:75名(2020年)
代表:近藤高行

地球規模の自動車リサイクルで循環型社会を構築

国内有数の自動車リサイクル企業。独自の業務基幹システム「KRAシステム(会宝リサイクラーズアライアンスシステム)」を構築し、車両の仕入れから解体、部品管理、販売までを一元管理することで、自動車中古部品のトレーサビリティを追求。自社で中古エンジンの品質表示規格も策定し、英国規格協会に認められるなど、中古部品流通の国際基準の先駆けとなっている。

自動車中古部品の一大マーケットであるUAEのシャルジャでは、自社の中古自動車部品のオークション会場を開設し、国際競争力のある価格で部品を流通させている。これらの取り組みによって、グローバル規模で、透明性が高く、信頼できる中古部品の取引を実現。結果として、会宝産業の取引先は約90カ国に及び、売り上げに占める輸出の割合は約80%となっている。

また、各国政府、起業家とのグローバル・パートナーシップにも力を入れ、地球規模での資源循環型社会の構築を目指している。製品のリサイクル処理を手がける「静脈産業」のパイオニアとして、発展途上国を中心にリサイクル技術を移転するプロジェクトを展開。これまでブラジルやマレーシアなど世界10カ国、100名以上の行政・大学・民間企業にリサイクル研修を提供してきた。

2020年にはインドで自動車リサイクル事業を本格展開し、世界各国で問題となっている使用済み自動車が引き起こす資源ロスや環境破壊、劣悪な労働環境に対する解決策を提示し、雇用創出にも貢献していく。

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金沢の本社工場には、日本全国から集められた中古車がずらりと並ぶ。一台一台が丁寧に解体され、部品だけでなく廃油までもが再利用される。部品は会宝産業が作成した品質表示規格によって、信頼性を担保して取引される。

REASONS FOR SELECTION

かつて地場産業だった自動車解体業をグローバルビジネスに展開し、リサイクルの技術を海外に移転する取り組みまで実践している。地域から地球規模での循環型社会の構築に貢献していることを評価した。


ST.COUSAIR サンクゼール


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本社:長野県上水内郡飯綱町
設立:1982年
従業員数:238名
代表:久世良太

全国各地の「うまい」を広める

製造から小売まで手がける食のSPA企業。創業者である久世良三が、斑尾高原でペンション経営を始め、その後、ジャムやワイン、パスタソースなど、食品の製造販売を展開。オリジナル商材のりんごワイン「シードル」が「JAPAN CIDER AWARDS 2018」の2つ星を受賞するなど、自社ブランドで複数の賞を獲得している。

日本発の食を海外に広めることを目指していくなか、2012年10月にシンガポールで開催された日本の食品展示会に参加。そこで現地の人から言われた「日本にはおいしい魅力的な和の食材がたくさんあるのに、なぜ西洋の真似をするのか」の一言からアイデアを得て、「日本人の生活を支えて、世界に通用する和の海外戦略ブランド構想」をスタートした。

その後、商品開発のための全国行脚を開始した。バイヤーが全国各地の生産者や経営者の元を歩き回り、商品へのこだわりや想いを聞いてまわった。構想から約1年。厳選した味噌や醤油など、それぞれの地域にある「本当のうまい食材」を扱う「久世福商店」が誕生した。

13年12月にイオンモール幕張新都心店が1号店としてオープンすると、好評を博し、急成長。6年が経過した現在では82店舗を展開している。取引先メーカー数も400社を超え、17年には米国進出も果たした。

18年6月に社長に就任した2代目・久世良太は、「本当においしいものは、世界でも受け入れられることを実感しています。全国の生産者さんと共に、より良いおいしさを追求していきます」と意気込んでいる。

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全国の隠れた名産が並ぶ「久世福商店」は、現在82店舗を展開。バイヤーが地域に足繁く通い、生産者と信頼関係を構築して、こだわりや想いを共有することで、「本当のおいしい和の食材」を生み出している。

REASONS FOR SELECTION

自社のオリジナル商品で成功を収めただけでなく、日本全国の食材を扱う「久世福商店」の展開によって、これまで日の当たらなかった生産者に新たなビジネスの活路をもたらし、地域に貢献していることを評価した。
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文=フォーブス ジャパン編集部

この記事は 「Forbes JAPAN 5月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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