しかしディスコードの機能がどれほど素晴らしくても、そのバリュープロポジションを横に広げて、ゲーマーを超えた幅広いユーザーに訴求することにはあまり成功していないというのが現実だ。ディスコード上でゲーム以外の会話をする人もいるが、そう多くはない。ゲーマー人口は膨大であり、さまざまな意味でディスコードを特徴づけている。マイクロソフトは複数のコンテンツ制作プラットフォームの買収を目指しており、その一環であるディスコード買収で重要となるのは、ディスコードがその勢いを加速させられること、人々の話題となること、そして、人々がさまざまなトピックを語る場となる多面的コミュニティーとしての存在を目指せることだ。
ゲーマーのコミュニティーという縦軸から脱却し、万能用途へと裾野を広げることは一筋縄ではいかず、明確かつ確固とした戦略が必要となるが、決して不可能ではない。問題は、マイクロソフトにそういった思考の転換が可能かどうかだ。