「アップル税」問題で揺れる米国議会と民主・共和両党の思惑

Photo by Chesnot/Getty Images

米国の多くの州で、人気ゲームの「フォートナイト」配信元のエピックゲームズや、出会い系大手のマッチグループらの企業連合が支持する法案の検討が進んでいる。これらの企業は、アップルやグーグルがアプリの開発者から徴収するアプリストアの使用料を回避可能にすることを求めている。

開発者たちはアプリ内課金を行う場合、アップルやグーグルの決済システムを使用することを求められ、支払額の15〜30%をプラットフォームに支払うことになる。批評家たちは、一部で「アップル税」と呼ばれるこの仕組みが、独占的で消費者に不利益を与えていると主張している。

エピックゲームズやスポティファイ、マッチグループ、ProtonMailらは昨年、「アプリの公平性のための連合(Coalition For App Fairness)」と呼ばれる団体を結成し、ロビイストを派遣して州の議員らに働きかけを行ってきた。

テック系ニュースサイトProtocol によると、アリゾナ州でこの法案を支持する議員は、マッチグループと連合のロビイストの接触を受けたという。一方で、ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、ノースダコタ州の上院議員はエピックゲームズと連合のロビイストから法案の草案を受け取ったとされている。

ノースダコタ州、アリゾナ州、ミネソタ州、ジョージア州の議会ではここ数ヶ月の間に、アップルに外部のアプリストアの導入を強制する法案が提出され、ノースダコタ州では却下されたが、先週はアリゾナ州の下院を通過した。

この法案は、大手テック企業の抑制を目論む共和党議員からは支持されているが、アリゾナ州の民主党議員らは、州がこのような問題に関与すべきかを疑問視し、この法案はすでに莫大な利益を得ているエピックゲームズやマッチグループを潤すことにつながると述べている。

アリゾナ州の民主党員からの反発は、ミネソタ州の民主党議員が同じ法案を支持していることを考えると、予想外のねじれを引き起こしている。ミネソタ州の動きは、テック大手の解体を呼びかける民主党のエリザベス・ウォーレン議員らの後押しを受けている。
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編集=上田裕資

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