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2021.02.07 10:00

日本人経営者も取り組む、米国での屋内農法の普及、拡大

VTT Studio / Shutterstock.com

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アリゾナ州ユマ郡は、米国で消費されるアイスバーグ・レタスなど葉物野菜の多くを栽培しており、「アメリカのサラダボウル」の異名がある。冬の時期には、米国の葉物野菜のじつに90%がこの地域で栽培される。しかし10年ほど前から、室内垂直農法の農場が全米の各都市に出現しており、農産物市場を分散させ始めている。

こうした農場は、従来の農法で育てられた農産物と張り合える価格を維持しつつ、1年を通じて消費者に地元産の野菜や果物を提供できるだけの規模に拡大できるだろうか?

ベルリンを拠点とするスタートアップで、米国、カナダ、欧州の店舗や流通センターで1200を超える屋内栽培ユニットを展開する「インファーム」のグローバルコミュニケーション・ディレクターを務めるエマニュエル・エヴィータ(Emmanuel Evita)は、「モジュール式農場のグローバルネットワーク全体で、データをリアルタイムでモニタリングして分析することで、工業化された農業に近い、より持続可能な代替策を提供できるだけでなく、栽培方法を改良し、1年を通じてより新鮮でおいしい農産物を提供できる」と語る。

屋内農法で栽培された農産物を食べた経験がまだない人も、そう遠くないうちに食べることになるはずだ。屋外農場で葉物野菜などの農産物を栽培する場合には、水や太陽、そして時には運が頼みの綱になるが、屋内農場では、土を用いない農法やITテクノロジー、そして常時のデータモニタリングを活用して作物を栽培する。

イチゴの垂直農法を開発し、ニュージャージー州で「おまかせベリー」という高級イチゴを栽培する「オイシイ(Oishii)」の共同創業者で最高経営責任者(CEO)の古賀大貴(こが・ひろき)は、「世界のほぼあらゆる場所で、一年を通じて、地元産の無農薬作物が栽培される持続可能な食糧生産という未来に向けて、垂直農法は有益な役割を果たすはずだ」と語る。「この産業は、まだ生まれたばかりだ。そのうちに収穫量が増え、生産コストが低下するだろう。温室栽培及び従来の生産システムと同等のコストの達成に向けたロードマップは、間違いなく存在する」
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翻訳=梅田智世/ガリレオ

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