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Mario Tama/Getty Images

ライドシェア大手の米リフト(Lyft)が、医療分野のサービス拡大に動いている。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)対策の一環で、全米で低所得者ら向けにワクチン接種場所への送迎サービスを開始。広範な輸送網と独自の技術を活用して、参入済みの医療分野で輸送サービスをさらに拡充するかまえだ。

ワクチン接種場所への送迎サービスは2020年12月に発表した。金融大手JPモルガン・チェースや非営利団体ユナイテッド・ウェイ、医療保険大手アンセムと提携し、ワクチンが利用可能になりしだい、低所得、無保険、リスクの高い人々を対象に6000万回の送迎を行う計画だ。

リフトの共同創業者であるジョン・ジマー社長は「必要なときに人々がワクチン接種場所に行けるようにすることは、このウイルスに打ち勝つうえで欠かせないものだ」と強調。自社のもつ力をフル活用し、輸送手段がないために医療が受けられないという事態にはさせないと意気込みを述べている。

医療部門担当のメーガン・カラハン副社長は、米国ではもともと、移動手段が確保できなかったことが診察予約を逸する主な原因の一つになっていたが、新型コロナのパンデミックはこの問題をいっそう深刻にしていると指摘。新型コロナのワクチン接種を受けようとする際、移動面で問題に直面する人は全米で1500万人にのぼると推定されるとし、リフトはそうした状況を改善できるとしている。

リフトにはたしかに、インパクトをもたらせるほどの力量を市場でもつ企業だ。同社は利用者と運転手のどちらも大規模なネットワークを誇り、ライドシェアサービスは全米各地をほぼ網羅している。

リフトが医療分野の輸送サービスに取り組むのは初めてではない。同社はこれまでに、全米で広く使われている電子医療記録(EHR)を手がける米エピックと提携し、緊急ではない患者を対象に、医師が医療機関から直接、患者の搬送を手配できる仕組みを整えている。

こうしたサービスは、患者管理の分野で短期ないし長期のゲームチェンジャーとなる可能性もある。リフトは引き続き、医療産業に貢献する新たなサービスの開発を進めていくとみられ、同社のイノベーションを通じて、医療分野の難しい課題の解決につながることも期待できそうだ。

編集=江戸伸禎

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