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Joe Raedle / by Getty Images

多くの国では最初の新型コロナウイルスのワクチン接種が始まったが、新たな調査によると世界人口の4分の1近くが2022年までワクチン接種を受けられないかもしれない。

英医師会雑誌(BMJ)に今月掲載された調査では、規制当局の承認を得る前の新型コロナウイルスワクチンの事前注文が世界規模で分析された。同調査によると、2020年11月15日までに複数の国では、臨床試験段階にある48の新型コロナウイルスワクチンのうち13の製造業者のワクチンを合わせて約74億8000万回分予約していた。

しかしこの調査によると、予約されているワクチンの本数の半分以上に当たる51%は、世界人口のわずか14%を占める高所得国に向かうことになっている。

米シンクタンクの世界開発センター(CGD)で政策アナリストを務めるレイチェル・シルバーマンは英BBC放送の取材に対し、特に有望なワクチンは「主に事前購入合意の対象となっていて、その大半は裕福な国だ」と述べている。

8億本のワクチンを押さえた米国の新型コロナウイルス感染者数は、世界の全感染者数のわずか約5分の1だ。また、日本、オーストラリア、カナダは合わせて10億本以上を予約しているものの、これらの国の感染者数は世界の全感染者数の1%未満だ。

研究の著者らによると、これにより世界の他の部分(世界人口の85%を占める)ではワクチンが供給されるかどうか分からない状態になっている。

こうしたワクチン製造業者が供給するワクチンコースの40%は低中所得国向けに残される可能性があるが、それは高所得国に自らの購入分を共有する意思があるかどうかによって決まる、と調査の著者らは指摘している。

さらに新型コロナウイルスのワクチンは1コース当たり6〜74ドル(約600〜7700円)の費用がかかり、所得が低い国は費用の捻出にさえ苦しむ可能性が高い。

世界保健機関(WHO)は英BBC放送に対し、「各国のリーダーは市民に対して責任があるため、自国民をまず守りたいと思うのは理解できる。しかしこのパンデミックには団結して対応に当たるべきだ」と述べた。

多くの国は、ワクチン購入額の一部をより貧しい国に投資する枠組み「COVAX(コバックス)ファシリティー」を通してワクチンを購入することで、世界での平等なワクチン配分を実現することに合意している。

COVAXによると、同枠組みなしではワクチンを購入できない92の対象国のためのワクチン購入・配分に当てるため、既に20億ドル(約2100億円)以上が集まっている。しかし、ファイザーやモデルナといった企業はまだこの合意に署名しておらず、十分な供給を確保する上で懸念事項かもしれない。

翻訳・編集=出田静

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