捨てるべきは「適応」。ストレスの時代に、自分本来の姿に戻るという解決策

ラッセル・マインドフルネス・エンターテインメント・ジャパン 代表取締役 大西茂久


──Googleは世界でも有数のマインドフルネス導入企業ですが、同時にGAFAは成果をあげるスピードの象徴でもあります。ともすれば、「まったり」な印象のマインドフルネスとは相反しませんか。

Googleは古くからマインドフルネスをベースにしたプログラムSIY(サーチ・インサイド・ユアセルフ)に取り組んでいます。彼らは「生産性の高いチームとそうでないチーム」について研究したことがあり、その結果、生産性の高いチームは「対人関係の心理的安全性を高くしている」という結果が出たのです。これが一番の根源とされていて、対人関係をよくすることが仕事のスムーズさを生み出し、新しいアイデアも生まれるという考え方なのです。



働くというのは、自分だけではなくてチームで動くこと。人と動くと書いて働くという文字になります。人といかに強調し働くか、ということが重要なのです。自分の意思の表明と相手の考えを尊重しながら共感していく必要があり、そこにはお互いの思いやりが必要なのです。

この考えを前提にすると、一部の仕事の現場で見られるような、怒りや焦りという感情に任せて人と動くというのは違うよね、となる。マインドフルネス瞑想で得られる恩恵のひとつには、共感力を向上させるということがあります。Googleはそのことに早く気づき、徹底的に実践し、今の成長を支える基礎的なメンタルスキルとしているのだと思います。

自分をフラットな状態にしておこう


──2021年を迎えて、あらたにマインドフルネスを取り入れようと思ったら、どこからはじめればいいでしょうか。

マインドフルネス瞑想をしたい人は誰でもやり方を身につけられます。今ではさまざまな書籍や、アプリ、セミナーが日本でも提供されていますので、ご自身が興味を持ちやすいキーワードや内容からアクセスするのが一番だと思います。

──ルールみたいなものはありますか

強いて言えば、継続することです。瞑想トレーニングは筋力トレーニングと同じで、頻度を高く、また、長く時間をかければそれだけ恩恵を受けられます。

継続のために、時間と場所を決めていただくのも良いかもしれません。たとえば、弊社のお客様では、寝る前に寝室でアプリを利用するシチュエーションが多くみられます。ゆっくりとした呼吸、それによって動くお腹、自分のカラダに集中でき、入眠がしやすくなるおかげで、翌日のパフォーマンスもいい、といった効果を感じやすいようです

大西は、年末年始を機に「マインドフルネス」が多くの人の新習慣になればと言う。新しい自分を見つけるために取り入れてみてはいかがだろう。

文=坂元耕二 写真=西川節子

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