だが、それから丸1日もたたないうちに、バイデンが大統領としてホワイトハウスに入ることができるのは、獲得した8000万以上の票が「不正、または違法な票ではないと証明できた場合のみだ」と理由なく主張。これまでで最も「敗北宣言」に近いと考えられた発言を、事実上撤回した。
感謝祭の日、選挙人団がバイデンを選べば、“もちろん”ホワイトハウスを去ると述べたトランプは、「選挙には不正があった」と根拠を示すことなく訴え続けている。28日にも、これといった理由を示すことなく、デトロイトとアトランタ、フィラデルフィア、ミルウォーキーには「特に問題がある」と投稿した。
トランプはこのツイートのなかで、バイデンは「解決不可能な大問題を作り出した」ともコメント。バイデンが獲得した史上最多となる票の合法性を証明するのは「困難だろう」との見方を示している。
ツイッター側はこの投稿を含め、3日の投票日以来、「不正があった」とするトランプのツイート数十件に、「選挙不正に関するこの主張には、異議が唱えられている」との警告文を付けている。
今後の注目点
選挙人団のメンバーは12月14日に正式に召集され、投票によって大統領と副大統領を選出する。投じられた票は、連邦議会が来年1月6日に行う上下両院合同本会議で開票され、認定される。この本会議の進行役は現職の副大統領。つまり、マイク・ペンス(共和党)となる。
トランプは選挙前から、「広範囲にわたる不正、または違法な投票が行われる」と根拠なく述べてきた。投票日以降はさらにその主張を強め、敗北を認めることを拒否。ほとんど勝ち目のない訴訟を乱発し、結果を覆すための必死の試みを続けている。
新たな陰謀論も
トランプの弁護団のメンバーのなかには、なぜかベネズエラの故ウゴ・チャベス前大統領が今回の選挙に関連していたとする奇妙な陰謀論を展開する者も出現した。
弁護士のシドニー・パウエルは、今回の選挙で導入された投票システムは、チャベスが不正を行うために作ったものであり、バイデンの得票となるように仕組まれていたと発言。トランプの弁護団の記者会見にもメンバーの一員として出席していたパウエルだが、その後、チームから“追放”されている。