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イギリスの陸軍大将が、2030年までに3万体近くのロボット兵士を軍隊に投入する可能性があることを明かした。兵員不足問題の解決に一役買うことになるという。

スカイニュースとのインタビューで、イギリス国防参謀長のニック・カーター陸軍大将はロボット兵の情報を公表し、ロボット兵が英陸軍兵力の4分の1を占めることになると述べた。

英陸軍大将が語る2030年の世界


世界的に見ても、軍隊は自動運転車やドローンを導入する方向へ舵を切りつつある。それに伴って増加しているのが機械化部隊で、特にアメリカ、イギリス、ロシアなど先進国の陸軍でその傾向が際立っている。カーター大将によると、イギリスはこの競争で他国に先んじているそうだ。

スカイニュースのインタビューで示されたのは、陸軍の総兵力12万人分のうちロボット兵が3万体弱に達する可能性があるという推測だ。カーター大将は、今取り組むべきはどうすべきかを決めることではなく、ロボット兵がもたらす効果を見極めることだと述べた。この発言から、最新技術に合わせた軍事力の拡大へと方向を絞っていることが読み取れる。

カーター大将が繰り返し述べたのは、イギリス陸軍が目指しているのは何らかの具体的な目標ではなく、軍として最大限の成果を得るということだ。新たなロボット兵の活動分野として想定されるのは、そんなことは起きてほしくないが、今後紛争が起きた際の最前線での物資供給だろう。

カーター大将の推測は、あながちSF的なものではない。彼が言及した目標は、イギリス軍が技術面ですでに成し遂げた取り組みとも合致している。スカイニュースのインタビューでも、カーター大将はイギリス政府によってロボット兵の開発が推進されたことを強調していた。

イギリスがこのような転換を迫られた理由の1つとして、新兵募集に関する問題が挙げられる。ここ数年間、イギリスでは生身の人間の兵士が十分に集まらないのだ。現在、イギリス陸軍の兵力は約8000人不足している。

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常備軍の目標人数は8万2000人弱だが、人間の兵力は7万4000人未満である。このためロボットを入隊させれば、問題を迅速かつ手軽に解決できる上に、兵力を人間に依存せずに済むことにもなる。

ロボット兵による戦闘はまだ先の話


現代の戦争で、ロボットはどんな役割を担うのだろうか。今のところ、その答えは誰にもわからないが、相当重要な地位に就く可能性が高いという推測はできるだろう。一方で、人間の介入なしでも作動する恐ろしいロボットが登場すれば、深刻な問題が多発することになる。文明社会の大部分に甚大な被害がもたらされるかもしれないのだ。

現段階で、軍事利用されるロボット兵は、人間が最終命令を下したりボタンを押したりしない限り作動しない。とはいえ、機械の廃棄後に何が起きるかはわからない。

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未来のロボット兵は、軍隊の全般にわたる支援業務を担うだろう。これは、イギリス陸軍では数年以内に始まる見通しだ。

ロボット兵が担当するのは、貨物トラックの運搬のような兵站や非武装業務だろうか。専門家の見解では、いつかロボット兵の戦争が起きるとしても、それは数十年以上先の話である。

(この記事は、英国のテクノロジー特化メディア「Wonderfulengineering.com」から転載したものです)

翻訳=加藤今日子 編集=石井節子

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