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2020.11.21 07:00

FBのコンテンツ監視員が「ブラック労働」告発、コロナ禍でも出社を強制

Photo by Chesnot/Getty Images

フェイスブックは、コンテンツの監視業務を外部企業が雇う「モデレーター」と呼ばれる人々に委託している。モデレーターの労働環境が過酷なことは以前から知られていたが、200人以上のモデレーターらが、CEOのマーク・ザッカーバーグ宛の公開書簡にサインし、パンデミックの最中に職場に戻ることを強制されたと訴えた。

フェイスブックの正社員は2021年7月まで在宅勤務が認められているにもかかわらず、アクセンチュアやCPLのような外部企業に雇用されている多くのコンテンツモデレーターは、職場に戻ることを余儀なくされているという。

Vergeによると、テキサス州オースティンのアクセンチュアに雇用されているモデレーターは10月12日に出社を強要されたという。数日後にそのうちの1人がコロナ検査で陽性反応を示したと、別のメディアであるInterceptが報道した。

窮状を訴えたモデレーターらは、以前から「フェイスブック社内で最も残酷な任務」だった彼らの仕事が、今ではコロナウイルスの "ホットゾーン"に足を踏み入れることまで、含むようになったと主張している。

公開書簡で、彼らは「フェイスブックのAI(人工知能)がコンテンツの監視活動において十分な役割を果たせず、自傷行為などのリスキーな投稿の削除は人間に委ねられている」と述べた。

モデレーターたちは、特に高齢者などの感染リスクの高い人々と暮らしている場合などに、柔軟な勤務形態を認めることや、一般的な時給の1.5倍の危険手当を支払うことを求めている。

フェイスブックの広報担当は、フォーブスの取材に対し、同社がコンテンツモデレーターの健康と安全を最優先していると述べた。さらに、同社の世界1万5000人規模のレビュアーの大部分が「在宅勤務をしており、パンデミックの期間中はそれを続けるだろう」と述べ、今回の告発に反発した。

また、これらの労働者はすべて「ヘルスケアや健康維持のためのリソース」にアクセス可能な状態にあり、フェイスブックは、オフィスで働くメンバーのために、十分なガイドラインを設けていると述べた。

コロナと大統領選で「危険コンテンツ」が増加


フェイスブックは、世界的なパンデミックと今年の米大統領選挙に絡む大量のフェイクニュースや有害コンテンツへの対応に追われている。さらに、ワクチン使用に反対するグループらは、大量の誤った健康情報を発信し続けている。

同社でモデレーターとして働く人々の中には、暴力コンテンツや残酷な内容、猥褻コンテンツや児童ポルノなどを日常的に見続けた結果、深刻な精神的トラウマを抱えてしまうケースも多いことが知られている。

編集=上田裕資

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