最大の成果を出すため、また仕事が手詰まりにならないためにどうすればいいのか。そのヒントは、ゲーム「ぷよぷよ」にあった。
皆さん、「ぷよぷよ」をご存じでしょうか? 1990年代にはやったゲームというイメージはもう古く、いまや日本のeスポーツシーンにおいてなくてはならないパズルゲームの代表格です。2019年の茨城国体では、国体史上初のeスポーツ種目としてぷよぷよの大会が開かれました。
ぷよぷよは一見シンプルなパズルゲームですが、中身は駆け引き要素の強い対人ゲーム。筆者は会社員として働く一方で、ぷよぷよを愛するeスポーツプレイヤーとして日々ゲームの腕を磨くB面も持っています。当然、茨城国体にも参戦しましたが、東京予選敗退という情けない結果に終わりました。
この話の始まりは、先輩からふと「ぷよぷよを消すのと仕事のタスクを消すのって似てない?」と言われたことがきっかけです。
いまとなっては恥ずかしい話ですが、筆者は新入社員のころ、「たくさん仕事を抱えている=仕事ができる社員」と誤解をしていました。仕事の詰めすぎで何度も失敗した若手時代を思い返すと、コロナ禍で働き始める新社会人は働き方が一層難しくなるのではと危惧しています。
というのは、在宅ワークは快適さこそ増しますが、移動時間などが無いぶん、スケジュール管理が難しくなるからです。そんな若手社員、またはタスク管理に悩むビジネスパーソンに向けて、仕事とぷよぷよに共通点を見いだし、パズルゲームを解くように仕事をマネジメントする方法を「3つの心得」としてご紹介します。
1. 6分の5の心得
まず大切なのは、ぷよも仕事も積み上げすぎないよう、余白を意識することです。ぷよぷよは最上段の左から3列めのマスがぷよで埋まると即ゲームオーバー。そのため、むやみに上部まで積むのは危険なのです。プロの戦い方を見ると、中盤戦までは多くても盤面の6分の5以上不用意に積まない傾向がある。それは、ふとした攻撃を受けて埋まってしまうのがだいたい6分の5のラインだからです。
この考え方を仕事に応用して、盤面をスケジュール帳、自分で積んだぷよを仕事、おじゃまぷよをとっさに頼まれた予期せぬ仕事に置き換えます。
スケジュール帳が6分の5以上埋まった状態は、予期せぬ仕事が入ったら盤面が一気に埋まり、ゲームオーバーになるギリギリのライン。スケジュール帳の埋まり具合を、感覚ではなく、量的に6分の5までと決めておくことで、自分の仕事がどのくらい埋まってきたかを客観的に把握できます。自分の盤面を把握することを、ぷよぷよでは「自陣把握」と言い、仕事でも非常に大切なポイントです。