スターリンクは現在、北米とカナダで事前申し込みを行ったユーザー限定でサービスを提供しており、掲示板のReddit上では、既に複数のユーザーがその感想を投稿している。同社の通知によると、通信速度は50Mb/s~150Mb/sで、レイテンシ(遅延)は20〜40ミリ秒とされていたが、実際はこれを上回る速度が出ている模様だ。
FourthEchelon19というハンドルネームのユーザーは「ダウンロード速度が161Mbpsで、アップロード速度は23Mbpsに達している」と述べている。彼はモンタナ州の過疎地域に住んでいるという。
このスピードであれば4Kのユーチューブ動画もストレスなく視聴可能で、一般的なブロードバンドを利用中の人々を、うらやましい思いにさせるはずだ。実際のところ、接続スピード測定アプリOoklaのデータで、このユーザーの接続スピードは全米の95%のプロバイダを上回っている。
しかも、スターリンクの衛星インターネットは月額99ドルで利用可能なのだ。
ニュースサイトPCMagの記事によると、国立公園の森林の中で暮らす別のユーザーも、スターリンクの衛星インターネットを快適に利用できている模様だ。そのユーザーが居住するエリアは、携帯電話の電波が届かない場所だというが、499ドルの「スターリンク・キット」に含まれる専用の衛星アンテナで、問題なく電波を受信できているという。
ただし、これらのユーザーの接続スピードが今後も現状のレベルを維持できるかどうかは定かではない。スターリンクの衛星の数は現状で800基程度であり、今後は数千の衛星が追加される予定だが、急激に利用者が増えた場合、速度の大幅な低下が起こる可能性もある。
さらに、PCMagはスターリンクのもう一つのデメリットを指摘した。それは、アップロード速度が15Mbpsから33Mbpsと、一般的なケーブルインターネットよりも遅い点だ。さらに、現時点では接続が途切れるトラブルも多く、オンラインゲームやビデオ通話を行う上で、悩まされる場合も多いという。
そんな具合に現時点ではまだ課題も多いスターリンクの衛星インターネットだが、今後は衛生の数が増えることで、急激に通信クオリティが向上することも期待できる。
さらに言うと、現状のクオリティであっても、過疎地に住むユーザーにとって、スターリンクは非常にありがたいものだ。「信頼性が高く、容量制限もないスターリンクの衛星インターネットは非常に便利なサービスだ。しかも、月額100ドル足らずでこのクオリティというのは素晴らしい」と別のユーザーは述べている。