全米で暴動や略奪騒ぎの懸念、店舗は「バリケード」で自衛

Photo by Noam Galai/Getty Images

全米各地の小売店や企業は、大統領選挙後の暴動や抗議デモの発生に備え、通りに面した店舗や事務所のガラス窓を、木の板で覆う対策を進めている。米国では今年夏、人種差別に絡む暴動が各地で発生したが、選挙後にも同様な混乱が生じる懸念が高まっている。

USAトゥデイの報道によると、ワシントンDCのホワイトハウス周辺では既に多くの店が、店舗の表を板で覆っている。百貨店チェーンのノードストロームやティファニーも、全米の店舗で同様な措置を行うとニューヨーク・タイムズ(NYT)の取材に述べている。

さらに全米小売連盟はフォーブスの取材に、従業員たちに特別なトレーニングを行ない、セキュリティ担当者を増員するとコメントした。

ニューヨークのミッドタウンにある百貨店メイシーズの旗艦店も板張りを行う予定で、地元の警察は既に現地の小売店らに、特別なセキュリティ対策を行うよう指示したとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は報じている。

サンフランシスコのセールスフォース・タワーの1階の商店のショーウィンドウも既に、板で覆われており、大通りのマーケット・ストリートの店の大半も同様な対策を講じている。


米国では今年の夏、ジョージ・フロイドが警官に殺害されたことを受けて各地で抗議デモが発生し、ターゲットやウォルマート、CVSなどの大手小売店は一時的に営業を停止していた。Axiosによると、夏の抗議デモに絡む保険金の支払額は累計10億ドルから20億ドルに達するとされ、破壊活動の一部は右翼系の暴力集団によるものとされている。

ウォルマートは10月29日、フィラデルフィアで発生した暴動を受けて、全米の店舗の陳列棚から銃やライフルを撤去すると宣言した。現地では26日に、27歳の黒人男性、ウォルター・ウォレスが警官に射殺されたことを受けて暴動や略奪騒ぎが発生した。ウォレスはナイフを持っていたが、家族によると彼は精神疾患を抱えていたという。

編集=上田裕資

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