米政治資金監視団体、センター・フォー・レスポンシブ・ポリティクス(CRP)が10月上旬に発表した分析結果では、今回の選挙の運動資金の総額は、およそ110億ドル(約1兆1460億円)とされていた(CRP は10月下旬、この金額を140億ドルに更新)。
10月上旬に発表された分析結果で比較すると、今回の選挙の運動資金の総額は、インフレ調整後の2016年の金額と比べて50%以上の増額となる。2016年と2012年の運動資金は、インフレ調整後の金額で70億ドルあまり、2008年はこれらを下回る約63億ドルだった。
CRPは今回の選挙の運動資金が大幅に増えた理由のひとつとして、共和・民主いずれの党にも小口の献金が急増したことを挙げている。これは、大統領選に対する有権者の熱意がこれまでになく高まっていることを反映したものとの見方だ。
また、今回の選挙では特に、女性有権者からの寄付がこれまでになく大幅に増えたという(この傾向は、2018年の中間選挙でもみられた)。2016年の選挙では、女性有権者からの献金の総額はおよそ13億ドル。今回は10月上旬の発表で17億ドル以上だった。
そのほか今回の選挙では、富裕層からの献金もさらに大きく増加していた。民主党の大統領候補に名乗りを上げたマイケル・ブルームバーグが、自らの選挙戦のために巨額の運動資金を用意したことも、総額を前例のないレベルにまで押し上げた一因だという。
米大統領選に投じられた運動資金の総額(10月上旬発表)
2008年/63億ドル
2012年/71億ドル
2016年/70億ドル
2020年/108億ドル
(2020年は推計、過去3回はインフレ調整後の金額)