このニュースは、グーグルが10年以上前に開始したサービスが、今や手に負えないものになってしまった事を示している。ストリートビューは確かに便利なサービスではあるが、今日の世界で、他の民間企業がグーグルと同じことをやろうとしたら、恐らく強烈な非難を浴びるはずだ。
もちろん、あなたがストリートビューに自宅を掲載されることを迷惑だと感じた場合は不服を申し立て、グーグルにぼかしをかけさせることは可能になっている。しかし、グーグルはそのような申し出を受けない限り、自由に街路や他人の家を撮影し、それをストリートビューに掲載している。
しかし、グーグルは一体何を根拠にこのサービスを正当化できるのだろう? なぜ外国の誰かが、あなたの家の周囲をバーチャル空間で歩き回り、家に立ち寄れるようにする必要があるのだろう?
ストリートビューの背後にある理屈は、当初からプライバシー擁護派から批判されてきた。カメラと電子機器で武装した小さな車が、密かに家の周りの画像を撮影して回るのだから、どんな理由があるにせよ不気味に感じるのは無理もない。
しかし、ストリートビューは、グーグルがこれまで行なってきた途方もないスケールのデータ収集の一部でしかないのが現実だ。彼らはそれが、公共の利益をもたらすものだと説明している。それでもなお、一般の人々が住む住宅街を撮影して回るのは迷惑だと感じる人も多いし、犯罪者やストーカーが、ストリートビューを利用してターゲットに接近するといった事例も度々報じられている。
ストリートビューに自宅を掲載されたくない人は、次のような手順でグーグルに削除依頼を行える。
削除するかどうかはグーグル次第
まずはグーグルマップを開き、検索窓に自分の住所を入力し、「地図を検索」ボタンを押して検索する。その後表示される、自宅付近の地図の右上で「ストリートビュー」のボタンを押してみて、青い線が表示される場合、そのエリアはストリートビューの対象になっている。
画面を操作し、そこに自宅が写り込んでいるのが確認できた場合、画面の右上にある「ストリートビューヘルプ」をクリックし、「不適切な画像を報告する」というリンクから削除依頼が行える。3つの選択肢が表示されるので、「自宅」をクリックし、「自宅が写っている画像の削除を依頼」という欄の先頭の印をチェックしておくといいだろう。
ただし、このような手間をかけて、実際に削除依頼を行うかどうかはユーザー次第だ。あなたが、自分の家の写真を世界と共有する意味をどうしても見いだせない場合、グーグルに削除依頼を出すのは、かなり合理的な選択かもしれない。
あなたが提出したリクエストはグーグルに届き次第、担当者が確認し、対応を行う。しかし、削除依頼に応じるかどうかはグーグルの判断に委ねられている。