・過去3年間の各国のデジタル競争力の推進を分析した、新しいレポートが発表されました。
・世界トップの「デジタルライザー」は、人材に投資し、企業がイノベーションと起業家精神を実現しやすい環境を整えてきました。
・また、デジタル技術が進歩している国々の特徴は、速やかに実行できる計画と長期的なビジョンを持っていることです。
私たちはいま、AI(人工知能)、3Dプリンティング、バーチャルリアリティなどの技術が融合する、テクノロジー革命の真っ只中におり、世界中のあらゆる産業と経済は、この影響を受けています。このような変化に対応し、デジタル技術を中心とした競争力を構築できるかどうかは、その国の将来の豊かさだけでなく、地政学的な立場をも左右します。
このような背景を受け、過去3年間で各国がデジタル競争力をどのように高めてきたかに関する分析が行われました。「デジタルライザー・レポート」では、どの「デジタルライザー」国が他国と比べ成功をおさめ地位を高めたか、どの国が後れをとっているか、そして、優れた国のベストプラクティスから何を学べるかの3点を取り上げています。その答えは、世界140カ国のランキングと各地域内での比較を提供する、ESCPビジネススクール欧州デジタル競争力センターによる「デジタルライザー・レポート」を、ぜひご覧ください。
世界各地で、デジタル業界には、新しいダイナミックな競合企業が参入してきています。2017年から2019年にかけ、G7の中で相対的なデジタル競争力を最も高めることができたのはフランスです。これにより、同国はG7のトップデジタルライザーとなりました。反対に競争力が最も低下する結果となったのは、イタリアとドイツです。
G20の中で見ると、このランキングは、中国と米国という世界的なデジタル超大国に関する興味深いパターンを示しています。中国がデジタル競争力を大幅に高めた一方、同期間の米国のデジタル競争力は、主に国際的人材を惹き付ける力が低下したことにより、下落しています。G20におけるデジタルライザーの上位3カ国は、サウジアラビア、フランス、インドネシアで、下位はインド、イタリア、ドイツでした。
このレポートはさらに、140カ国のマインドセットとエコシステムの項目での進捗と、2017年から2019年にかけての絶対的・累積的なランキングにおける変化を分析した世界経済フォーラムの世界競争力レポートの5つの項目を基に、その国のエコシステムとマインドセットに関する評価も行っています。これは、デジタル競争力の中核となる2つの項目です。