経済・社会

2020.09.18 08:30

2020年の市場暴落を分析、危機下での好調銘柄に共通した特徴

Photo by Drew Angerer/Getty Images


企業の所有構造


企業の所有構造も重要な要素だった。ヘッジファンドの所有率が大きい銘柄は不振だった。これはおそらく、ヘッジファンドに伴う速い資金の動きとレバレッジにより、急速に売られる可能性が高くなるためだろう。
advertisement

それとは対照的だったのが、より安定した、金融組織の所有率が低い銘柄だ。投資家基盤が比較的安定している企業のパフォーマンスは、平均的に見て好調だった。

国の特徴


企業が拠点とする国という側面も重要だった。富裕国のほうが、貧しい国よりも好調だった。これはおそらく、富裕国のほうがパンデミックに対抗するためのリソースを多く持っているからだろう。また、65歳以上の人口が多い国は不振だった。こちらは、ウイルスそのものに対するリスクが高齢者のほうが大きいためと考えられる。

新型コロナウイルス感染症とそれに対する反応の変遷は、金融市場と実体経済の両方に影響を与える、きわめて複雑な一連の事象を生み出した。セクターの傾向や、サプライチェーンのつながりの重要性といった、研究者らによって実証されたトレンドの多くは、投資家の直観を裏づけている。
advertisement

その一方で、FRBによる果断な対策は、危機の制御において重要な役割を果たしたと見られる。また、興味深いことに、ESGスコアは、危機下で好調を保ち得る企業を判断するひとつの要素になっているようだ。

さらに、企業そのものの特徴だけでなく、企業の所有構造も重要になりうるという事実も、市場がストレスにさらされているときには、企業の投資家基盤がパフォーマンスに影響を与えることを改めて示すものであり、有益な知見といえるだろう。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事