本連載では鈴木氏に、「超多忙なビジネスパーソンが自分の心を守りながらパフォーマンスを上げる方法」を教えていただく。
今回は、「ストレスをためない方法」にスポットを当てていただいた。
第2回 産業医が「白衣を着ない理由」|元アマゾン産業医の相談室 #2
新型コロナウイルス感染症の流行により、私たちの働き方は大きく変わろうとしています。当たり前だった対面でのコミュニケーションが避けられ、大人数での会議や研修の実施も控えられています。
それに代わり、Zoomの様な画像を介したバーチャルでのコミュニケーションが推奨されています。また食事や宴会などの自粛も続いているため、会社が終わってから飲みに行く機会も減っています。仲間とお酒を楽しみ、時には会社の悪口を言いながらストレス解消していた人たちは、これまでとは違った手段でのストレス解消を模索していることでしょう。
コップの「数」とコップの「大きさ」
2リットルの水の入ったペットボトルを1本、大きさ(容量)の違うコップを数個用意して、それぞれのコップにペットボトルの水を注いでみてください。
ペットボトルにはまだ水が残っていると思います。残った水の量は、コップの「数」とコップの「大きさ」という2つの条件で決まります。
ペットボトルに残った水の量を、たまってしまったストレスだとイメージしてください。ストレスをためないためには、残った水の量をできるだけ少なくすればよいのです。
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ひとつは、コップの数を増やすこと。これは複数のストレス解消の手段を持つことを意味します。
たとえば、飲み会がストレス解消の手段の方も少なくないと思いますが、いま都心では、3密を避けるためにも飲み会を開催することは難しくなっています。このような場合に備えて、たとえばオンラインヨガのコースに申し込む、ちょっと高いワインを買ってみる、など、別の「新しいコップ」を用意することも必要になってくるでしょう。
もうひとつは、大きなコップを用いること。このことで、より効果的にストレスを解消することができます。たとえば、大好きな俳優が主演で2時間でずっぱりの映画を見る、は大きなコップ、大好きな俳優がチョイ役で5分だけ出ている映画を見る、は中ぐらいのコップ、といったところでしょうか。
過度なストレスをためないように、「手段(コップの数)」と「効果(コップの大きさ)」という2つの要素を意識しながら、ストレスとうまく付き合っていくとよいでしょう。
しかし「それでもたまってしまったら」どうするか? その場合の方法を、これから説明します。