ライフスタイル

2020.08.27 07:00

ニューヨーカーが定期的に新型コロナウイルスの検査を受ける理由


実際の検査の様子


ニューヨーク市在住の筆者も実際に検査を受けに行った。想像していたよりはるかに簡単で苦痛なく終わった。

1. Googleマップで検査場を検索。予約も不要

Google Mapsで「近くの検査場」と検索すると最寄りの検査場が表示される。営業時間を確認し、予約なしで検査を受けに行くことが可能だ。



2. セルフチェックインを済ませ、順番を待つ

検査場に着いたら、セルフチェックインを済ませ、順番を待つ。チェックインには顔写真付きの身分証明証と保険証の提示が必要。その他に、人種、簡単なプロフィール、検査結果を送信するメールアドレスを入力した。



3. 個室にて検査。たった10分程度。

個室に案内され、軽く症状などの問診を受けた後、検査内容の希望を聞かれる。抗体検査とPCR検査の両方を希望すると看護師が検査を開始する。

抗体検査用の採血の針は細いため、痛みはほとんどない。綿棒を使ったPCR検査も軽くむせる程度だった。予想以上にあっけなく検査が終わり、また、個室のため安心感があった。しばらくするとドクターが部屋に来て、諸々の説明と質問に答えてくれた。

・結果が陽性だった場合、家で待機すること。追跡調査に協力すること。
・結果が陰性だった場合でも、安心はできないこと。
・エッセンシャルワーカーの場合は定期的に受ける必要がある。職種によって毎週だったり隔週だったりする。
・なるべく今後も自主的に検査を受けた方がいい。

その後、料金の支払い等は勿論なく、そのまま帰宅した。



4. 結果はメールで通知。オンラインで確認。

筆者の場合、抗体検査の結果は2日後、PCR検査の結果は1週間後に届いた。メールで通知が届き、オンラインのポータルサイトで結果を確認できる。結果はどちらも「陰性」だった。

8月現在も列をなす検査場



筆者撮影。タイムズスクエア付近の検査場。2020年8月10日(月)朝10時頃。

今回の取材で新型コロナウイルスの検査を受ける人には、主に3つの理由があると感じた。

1. 必要だから:エッセンシャルワーカーや美容師など、接客業で働く人は定期的に検査を受ける必要がある。加えて、感染の疑いを感じている、または追跡調査で検査をすすめられて受ける人も多かった。

2. 自主的に:今回の取材で驚いたのは、多くの人が自主的に感染拡大予防のために検査を受けていることだ。検査結果が分かれば、今後の行動の判断材料になるからだ。ニューヨーカーの意識の高さを感じた。

3. 無料だから:ニューヨークのマンハッタンでは、街を歩いていると頻繁に検査場を目にする。無料だし、予約なしで数分で終わるから、と立ち寄れる気軽さがある。「誰でもいつでも無料で何度でも」受け放題であるこそ、ここまで多くの人が検査を受けて来たのだろう。8月現在も、朝早くから多くの人が検査場に列をなしていた。

「新しい日常(ニューノーマル)」の新習慣に


世界最多の感染者が発生したニューヨークでは、もう二度と感染爆発をさせないために「新しい日常(ニューノーマル)」と呼ばれる新習慣が根付き始めている。

マスクの着用やソーシャルディスタンスを保つこと、握手やハグの代わりにグーに握ったこぶしを合わせる「フィストバンプ」や、肘を合わせる「エルボーバンプ 」などだ。

この先、まだまだ長引くであろうウイルスとの共存生活において、定期的に検査を受けることも一つの習慣となっていくのであろう。

文=YUKA(吉田優華子)

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