ビジネス

2020.08.26

「コミュ力」がなくても、仕事で確実に成果を出す方法

Hinterhaus Productions / Getty Images


「コミュ力」を因数分解する


まずお伝えしておきたいのは「コミュ力の高低」と「コミュニケーションを取れること」はまったく別の話だということです。これは多くの方が混同しているので注意が必要です。

仕事や生活において必要なのは、あくまでコミュニケーションが取れることであって、コミュ力が高いか低いかは、さして重要ではありません(もちろん高い方がラクかもしれませんが)。

そもそも「コミュ力」とは何でしょうか。頻繁に使われる言葉ですが、本当にさまざまな要素によって構成されています。

たとえばコミュニケーションの「種類」にフォーカスすると、仕事のミーティングなどの「目的があるもの」と、雑談のような「目的がないもの」に大きく分けられます。また「手法」について考えると、話す、聞く、あとは身振りや手振りなどもあります。それらが複雑に組み合わさっているのがコミュニュケーションなのです。

「コミュ力」という解像度の低い言葉でとらえるのではなく、要素を分解して考えることが大切です。

●種類:目的完遂型/関係構築型
●手法:話す/聞く
●対応:察する/空気に合わせられる/仲良くなる
●人数:対/グループ/大人数
●ツール:対面(リアル)/非対面(オンライン、チャット)

コミュニケーションには、①相手の言うことを理解し、かつ自分の言いたいことを伝えるための「目的完遂型」と、②相手と仲よくなったり、初対面でもその場をとり持たせたりするための「関係構築型」の2つがあります。さらに、この2種類のなかで、対面と非対面、音声とテキスト、対と複数などのパターンに分けられ、それによって得意か不得意かが分かれていきます。

つまり、対面や口頭ではあまり喋らない人がチャットやメールになると饒舌になる、SNS だと強い口調の人が対面であったらとても柔らかい人だった、などのように、その人らしさを表しやすい手段や場面、ツールが、人によって違うというだけなのです。

だからこそ、大事なのは「コミュ力」が高いか低いかではなく、自分が得意なパターンでコミュニケーションが取れているかどうか。そして、できるだけ苦手なパターンを避ける、もしくはなんとかごまかせる技術(ちょっとしたコツです)を身につけることです。
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構成=村上広大

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