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金融の善悪、不穏について執筆




ソーシャルゲーム大手のZynga社は、創業者でビリオネアのマーク・ピンカスが21ヶ月ぶりにCEOに復帰すると発表した。Zynga社はかつて、ファームビルやファームビル2などのフリーミアムゲームで一世を風靡したが、その後業績が低迷。前CEOのドン・マトリックの元でも苦戦が続いていた。デジタルゲーム業界の展望に強気な投資家は、Zynga社の業績回復に賭けるよりは、他の選択肢を選んだ方が賢明だろう。

フリーミアムゲームがまだ有望だと考える人は、キャンディークラッシュやキャンディークラッシュソーダのメーカーであるKing社に注目した方が得策だ。Zynga社とKing社は、ともに一発屋的なゲームの大当たりにより、数十億ドル規模の大型上場を果たしたが、その後業績が急速に悪化した点で共通している。

Zynga社のナスダック上場時の時価総額は70億ドルで、年間売上高は10億ドル、売上高成長率は50%だった。売上の大半は、当時大人気だったファームビルが稼ぎ出していた。しかし、2014年の終わりまでにはファームビルの人気が廃れ、立て続けにゲーム会社を買収したもののヒット作に恵まれず、売上高は6.9億ドルまで減少。純損失は2.25億ドルまで膨れ上がった。Zynga社の株価は上場以来、70%近くも下落している。

King社の状況も似ている。何年もヒット作に恵まれなかったが、キャンディークラッシュの大当たりで売上が飛躍的に増え、IPOによって5億ドルを調達し、時価総額は60億ドルがついた。しかし、キャンディークラッシュの人気が下り坂になると、売上は減少し、業績は低迷した。

それでも、King社の方が、ウォールストリートの投資家たちに一発屋でないことを証明しやすいだろう。両社はデジタルゲーム業界での復権を目指しているが、投資家らは彼らが手持ちの資金を使い果たす前に、次のヒット作を生み出し、資金を回収できるかどうかに注目している。

King社は、キャンディークラッシュに続く人気ゲームの開発に成果を見せ始めている。キャンディークラッシュ以外のゲームからの課金収入は、第四四半期で3.24億ドルと前年比137%の成長を見せた。このことは、King社の課金収入の大半を、新しいゲームが稼いだことを意味する。キャンディークラッシュの続編であるキャンディークラッシュソーダの貢献だ。

課金収入の伸びにより、King社の第四四半期における調整済EBITDAは2.37億ドルとなり、前期から10%増えた(前年同期比では12%の減少)。課金収入は引き続き減少傾向にあるが、減少幅は小さい。DAU(一日のアクティブユーザー数)とMAU(月間アクティブユーザー数)は着実に伸びており、ゲームの人気の復調を示している。利益を生んでいるのは、ゲーム内でバーチャルグッズを購入する約2%のユーザーだ。その金額は年間で7.7億ドルに達し、調整済EBITDAは10億ドル到達が間近だ。

これらの数字は、大半のインターネット企業を遥かに超えている。
Zynga社の業績も回復の兆しを見せてはいるものの、健全なレベルからは程遠いように見える。第四四半期の課金収入は、1.82億ドルと前年比で24%、前期比で4%伸びたが、純損失は拡大した。さらに懸念されるのは、DAUとMAUに加え、課金ユーザー数も減少傾向にあることだ。Zynga社の月間の課金ユーザーの割合は全体の1%と、King社よりも更に小さい。コーポレートファイナンスの観点でも、King社の健全性はZynga社を大きく上回っている。
King社は、第四四半期に一株につき94セントの特別配当と、一株当たり150ドルでの自社株買いの実施を発表した。今年度末の現金残高は、前年から倍増の約10億ドルになり、8.11億ドルの営業キャッシュフローは、新たな配当の実施が可能であることを示している。

一方、Zynga社は、2014年の営業キャッシュフローが450万ドルの赤字で、更にM&Aの実施などにより、現金残高は一年間で4.65億ドルから1.31億ドルまで減少した。King社には資金的な余力がある。キャンディークラッシュや、その続編のやや独創性に欠けるキャンディークラッシュソーダがコケた場合でも、他の企業を買収する賭けに出ることも可能だ。これに対しZynga社は、OMGPOPやNaturalMotionの買収に何億ドルもの資金を費やしたにも関わらず、思うような成果を発揮できていない。当面は節約モードにならざるを得ないだろう。
フリーミアム型のゲーム産業にまだ興味がある投資家にとっては、King社はZynga社に比べ、はるかに安全な選択肢と言える。

文=ブライアン・ソロモン(Forbes)/ 編集=上田裕資

 

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