経済・社会

2020.07.04 06:00

トランプが強行する独立記念日の花火が「大炎上」の懸念

花火の舞台となるラシュモア山国立記念公園(Photo by Scott Olson/Getty Images)

花火の舞台となるラシュモア山国立記念公園(Photo by Scott Olson/Getty Images)

米国のサウスダコタ州のラシュモア山国立記念公園の山肌には、米国の偉大な大統領たちの顔が刻まれている。ジョージ・ワシントンやトーマス・ジェファーソン、セオドア・ルーズベルト、エイブラハム・リンカーンら4人の巨大な顔が並ぶモニュメントは、自由の女神と並ぶ米国の民主主義のシンボルだ。
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ドナルド・トランプ大統領はここで7月4日の独立記念日を祝うイベントを開催し、花火を打ち上げる計画だが、現地は広大な国有林に囲まれており、専門家は花火が山火事につながりかねないと警告している。

しかし、トランプはその警告を無視して花火イベントを強行する構えだ。「何が燃えるって言うんだ。岩しか無いだろ?」と彼は、1月のスピーチで述べていた。

公園の管理事務所は乾燥を理由にここ数年、花火イベントの開催を拒否してきた。現地の今年の湿度は例年の平均値を30〜50%も下回っている。6月から7月は特に乾燥が進み、山火事の発生リスクが高まるという。
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ラシュモア山に近い州立公園では先週、山火事が発生し60エーカーの森を焼き尽くしていた。

2010年から2019年までラシュモア山国立記念公園の管理者を務めたCheryl Schreierは「花火イベントは重大なリスク要因になる」と述べている。「火災のリスクだけでなく、パンデミックの最中のイベントはソーシャルディスタンスの確保が難しい」と彼は話した。

さらに、国立記念公園の元防災責任者のBill Gabbertも、現地のポンデローサ松の森林が極めて可燃性の高い状態にあり、花火イベントを行うべきではないと述べている。

トランプは2018年からラシュモア山での花火イベントを望んでいたが、これまでは周囲の反対を受けて断念していたという。しかし、今年は反対を押し切って強行するつもりだ。

サウスダコタ州はくじ引きの当選者らに7500枚のチケットを配布済みという。イベント当日はマスクの着用と、互いの距離を6フィート(約180センチ)以上とることが求められるという。

編集=上田裕資

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