タンポンを長時間変えなかったら何が起きる?

Emilija Manevska/Getty Images

どれほど多くの生理を経験しても、どれほど準備を入念にしていても、バッグに予備の生理用品を用意していなかったときに生理が来てしまった経験はあるはずだ。タンポンを使っている場合には、これはさらに大きな問題だ。

朝起きたときにタンポンを挿入し、1日が終わるまで持てばよいと思っているだろう。それでも、タンポンの箱には8時間以上の使用に対する警告文が書かれている事実は変わらない。それでは、実際タンポンをあまりに長い時間使用してしまうとどうなるのだろう? タンポンを変えなかったからという理由で病院のベッド行きになった人についてのうわさがあらゆるところで広まっているかもしれないが、それには理由があるかもしれない。

タンポンは吸収性の詰め物として機能する。膣(ちつ)の中に挿入すると経血を吸収し、膣の中の筋肉によりその位置で維持されるため、体の中に入り込んで分からなくなることはない。きちんとした位置に入れれば、タンポンが入っていることを感じることはできないはずだ。

タンポンの交換について、米食品医薬品局(FDA)は4~8時間で交換するのが最善だとしている。さらに大事を取って6時間以内に交換すれば、感染のリスクを減らすことができる。睡眠時間が8時間以内であれば、起床後すぐにタンポンを交換する限り、タンポンは生理中の選択肢として好ましい。

非常にまれな感染症ではあるが、毒素性ショック症候群(TSS)のことは聞いたことがあるはずだ。TSSは、タンポンを非常に長い時間体内に入れていた場合、特定の種類の細菌が作り出す毒性物質が子宮や膣粘膜から血流に入ることによって引き起こされることがある。TSSを発症する人の割合は毎年10万人当たり1人以下で、これらは全て生理用品によるものではない。しかし、その影響は深刻なものとなりかねない。

TSSは黄色ブドウ球菌が作り出す毒性物質により引き起こされるが、A群連鎖球菌による毒素が原因のこともある。男性や閉経前の女性、子どもは全てTSSを経験する可能性があり、初期症状としては発熱や嘔吐(おうと)、下痢、発疹、うずきや痛み、頭痛がある。症状はその後、発作に発展する可能性がある。臓器の損傷やショック状態が引き起こされることもあり、死に至るケースもある。
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翻訳・編集=出田静

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