マクドナルドやスターバックスといった大手チェーンと提携するウーバーは、グラブハブを買収できれば、かなりの数の小規模独立レストランとのつながりを手にするだろう。コーウェン・アンド・コー(Cowen & Co.)でアナリストを務めるアンドリュー・チャールズ(Andrew Charles)の推定によれば、グラブハブが受ける注文の80%は、こうした小規模独立店舗が占めている。
合併により、両者はスケール化を実現し、コストカットの余地が生じる。両者はどちらも、直近の四半期で、注文数は増加しているが損失を計上しているのだ。
グラブハブが5月に行った発表によれば、同社の2020年第1四半期の売り上げは、前年同期比12%増の3億6300万ドル。アクティブ利用者数は24%増の2390万人、注文総額(Gross Food Sales)は8%増の16億ドルだった。
ウーバーに関しては、消費者が自宅で過ごし、ライドシェアを敬遠したため、第1四半期の乗車数は3%減となったが、ウーバーイーツ部門の総注文は54%急増し、47億ドルの売上を記録した。これにより、同部門の売り上げは2倍以上に増加し、調整後の損失を縮小するのに貢献した。
ウーバーイーツは、スーパーマーケットやコンビニエンスストアとも提携を結んでおり、レストラン注文のプラットフォームを介して生活必需品や食料品を販売できるようにしている。同社によれば、こうした商品の需要も高まっているという。
ウーバーイーツにとってグラブハブとの提携は、米国のフードデリバリー分野でドアダッシュ(DoorDash)に決定的な差をつける一打となる。ウーバーは5月、ウクライナやエジプトなど8つの不採算市場からウーバーイーツを撤退させると発表した。ウーバーのダラ・コスロシャヒ(Dara Khosrowshahi)CEOは、同社が「積極的な投資」を行うのは、1位または2位の地位を確立・維持できると確信している市場のみであると述べた。