ビジネス

2020.05.17

EVの黄金年になるはずだった2020年、新型コロナの影響でどうなるか?

ホンダe


新型車の発表は購入意欲をかき立てるか


マツダは、「コロナの影響で顧客は購入を控えている」と認識している。そこで、「それに対抗するために、MX-30のような魅力ある商品を出したい」と言う。MX-30は、同社の初EV。人気のSUVスタイリングに受け継ぎながら、ドアが観音開きになっている。これは2002年に登場したRX-8の観音開きドアの形とメカニズムとよく似ている。


マツダ「MX-30」

一方、日産は未来に向けてルノーと三菱との共同開発で次世代EVを作ると同時に、年内には人気の「e-POWER」という電動ドライブトレイン技術を国内外のラインアップに広げていくという。

ちなみに、e-POWERは、エンジンは発電用としてだけ使用するためタイヤには直接つながっておらず、電気モーターのみで100%駆動することが最大の特徴だ。昨年、ノートe-POWERが国内NO.1のベストセラーだったからこそ、日産はこれらの電動技術をフルライナップに拡大することによって、落ち込んだ市場にアピールできるはずだ。

どのメーカーも、「緊急事態宣言の解除によりどういう状況になるか分からなければ、なんとも言えませんね」という。パンデミックの影響で部品調達が難しくなったので、生産する予定の台数が実際に作れるか心配だというメーカーもある。

やはり、顧客の購入意欲、新車の販売状況が見えてこなければ、メーカー側にとっても、どのような対策を取り入れるのかは難しいようだ。多くの顧客としては、これらの見た目が魅力的な次世代EVたちに早く乗ってみたいだろうから、社会が少し安定してくれれば嬉しい。

連載:国際モータージャーナリスト、ピーターライオンの連載
「ライオンのひと吠え」過去記事はこちら>>

文=ピーター・ライオン

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