経済・社会

2020.05.17 17:00

ああ、日本に帰れなくなった「ラトビア取り残され記」

トムスマ・オルタナティブ


さて、当初、バルト三国はほぼ同じ様子で、これからEU西側同様に爆発的にスピードアップしていくのだろうと思っていました。もちろん感染者数は増え続けているものの、封鎖3週目を過ぎたあたりから、明らかに他のEU諸国よりもラトビアは拡散速度が遅く、6週間後には、エストニア、リトアニアに比べ半数近い数値になっています。
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それでは、ラトビアという国について少し説明をします。

Latvia

ここは人口密度が低く自給率が高いので、日本の都市部よりも、地方都市の方が近似だと思います。
・人口201万人くらい
・面積6万4千km2くらい
・人口密度36人/Km2
地形は、富山県の右下部を引っ張った形をしています。一瞬、間違えたくらい似ています。カポっと陸に食い込んだ湾の中央に壮大な一級河川が堂々と流れ込むスタイルも似ています。


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・日本人人口:60名弱(内 大使館職員20名、留学生20名、その他)
ちなみにリガは寿司屋がいっぱいあってお味噌汁の味も同じです。昆布かカツオの出汁の味がします。日本式お寿司と、かなりアレンジされたラトビア式お寿司の2形式。後者は物凄い種類がクリエイトされています。


日本人は少ないが、なぜか寿司店は多く、謎の創造物になっている。

TOKYO CITYっていう寿司レストランのフランチャイズをよく見ます。YAKUZAという店も有名です。The Catch が現地の人にも人気です。富士山、Ganbei...他たくさん。どこも、お花のようなフリフリの姿になったわさびが添えられています。日本人60名に対して寿司屋の比率が高いですね。

環境面での対策状況

封鎖初日から食料品店など営業店舗は入口に消毒液とビニール手袋が設置され、至る所に“2メートル間隔絶対とってね”シールが貼られ、消毒スタッフが動き回り、危険を冒す人は漏れなくレジの女性に叱られるという特典が展開。レジにはアクリル板のバリケードが張られているので、バリケード越しに叱咤されるスタイルです。



時間短縮して営業している飲食店のテーブルには“ここ座っちゃダメ”シールが貼られ、お客様が満遍なく点在する風景が仕上がっています。

ホテル、ドミトリーは続々閉鎖。一方、受け入れてくれたドミトリーでは、翌日あらゆる備品の消毒作業、タオルはキッチンペーパーに、ティーンの様子もチラ見しましたがキャピキャピ騒ぎながらも手を使わずに足でドアを開けたり(器用だな)、入り口で消毒液をしっかりつける。

こうした光景を見ていると、一瞬にして場面転換、仕事の速さとコンセンサスのスピードには不安を超えて感心しました。小さい国だからこそかもしれません。

人口密度が少ないですから人の間隔2メートルは日常の平均的距離、さっぱりした挨拶文化、加えて発酵食品(ザワークラウトなど美味しい漬物いろいろ)を日々たくさん食べる、海藻も食べる、サウナも入るなどといった高い免疫力を保つ習慣があります。

実際のまちの様子

ルールは一変しましたが、とても長閑で落ち着いた雰囲気は封鎖前と変わりありません。スーパーの混乱、物資不足はありません。中心部の大手百貨店内の食料品売り場も平和です。

数名ですが現地の人と話した中での印象は、彼らはすごく冷静で俯瞰的、ウイルスへの恐怖より、プロパガンダの警戒や経済動向にフォーカスがいってる感じです。何度も侵略に巻き込まれながら独立した経緯が深く刻まれているのかなと思ったりしました。
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文=トムスマ・オルタナティブ 編集=藤吉雅春 一部写真=SOO

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