免疫力UPが期待できるHSP入浴法とは? コロナ鬱を予防する効果も

OJO Images/Getty Images

新型コロナ禍により、外出の自粛が続いているが、家に籠っていることで欲求不満やストレス、不安を感じている人も多いことだろう。実際に、気分の落ち込みや気力の減退、感染恐怖症、不眠など、鬱に似た症状を訴える人も増えているという。

「コロナ鬱」や「コロナストレス」と呼ばれるこれらの症状は、いまの状況が続けば、ますます悪化するとも予想されている。そんな状況のなか、コロナ鬱やコロナストレスを家にいながら予防する効果が期待できると注目されているのが、医学的にも証明されている「HSP(ヒートショックプロテイン)入浴法」だ。

HSPで免疫力アップと鬱解消


HSP(ヒートショックプロテイン)とは、ストレスで傷んだ細胞を修復する働きを持つたんぱく質のこと。「熱ショックたんぱく質」とも呼ばれ、ヒトを含めほとんどの生き物がもっているストレス防御たんぱく質であり、免疫細胞を強化する働きも持つという。

HSP研究の第一人者である伊藤要子氏よると「HSPは、日々さまざまなストレス(ウイルス感染もストレス)によって傷つく私たちの細胞を修復して、元気にしてくれます。その働きは、ストレス防御や免疫力増強作用だけでなく、脳の神経細胞をストレスから守ることにより、鬱症状をも改善する働きがあることが臨床研究で明らかになっています」と語る。

いまこそ、新型コロナウイルスという見えない敵と戦うための心と体の自己防衛対策として、免疫力を上げ、鬱症状を改善してくれるというHSPを増やしたい。その方法とは? 伊藤氏が推奨するのが「HSP入浴法」だ。

「HSPは最も古いサバイバル(生き抜くための)タンパク質です。地球上で初めて細胞が誕生したときから、HSPは存在していたと考えられます。どんな生物もストレスを受けますが、ある程度のストレスは自分で修復して生き延びるために、ストレスから身を守るタンパク質であるHSPを持っています。サバイバルのために必要だからこそ、進化の過程でも消失せず保持されてきました。

免疫力を上げたいいまこそ、HSPに注目すべきです。実はHSPは、お風呂好きの日本人にぴったり。なぜなら、HSPは、日本のお風呂の湯温40~42度で最も効率よく増やすことができるからです」(伊藤氏)

そのHSP入浴法は、自宅のお風呂を利用すれば誰でも簡単にはじめられるという。ポイントは少し熱めのお風呂に長めにつかり、入浴後の保温を意識すればいいだけというから、かなり手軽だ。

「いつものお風呂よりちょっと熱いかな、ちょっと長いかなと、少し負荷を感じるくらいでHSPは増加します」(伊藤氏)。

以下に詳しい方法を紹介しよう。

HSP入浴法の手順


入浴前に水分補給をし、浴室を温めたら、心臓から遠いところから湯船に入る。肩までつかる全身浴が基本だが、高齢者や体力に自信のない場合には、みぞおちまで浸かる半身浴でも構わない。その場合は、首元まで風呂の蓋で覆ったり、全身浴と交互にしたりして、肩を冷やさないこと。入浴時間も少し長めにとったほうがよい。

また、長めの入浴時間を利用して湯船の中で手首や足首を回したり、肩を上下させたりするなど軽い運動をするのもおすすめだ。体が熱くなったら、短時間であれば立ち上がったり、湯船に腰掛けたりするなどして休んでも問題ない。その場合は、合計して下記に紹介する時間は湯船につかることを目標にしよう。
次ページ > 湯船の温度と入浴時間の目安

文=山本美和

ForbesBrandVoice

人気記事