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Ververidis Vasilis / Shutterstock.com

今年7月に開幕予定だった東京五輪の延期のニュースが報じられた3月24日、米コムキャストはSEC(米証券取引委員会)に提出した書類で、同社の事業全体が厳しい状況に直面する見通しだと投資家らに警告した。

コムキャスト傘下のNBCユニバーサルは現在、本来は劇場で先行上映するはずだった最新映画をストリーミングで公開し、テーマパークを閉鎖している。同社が7月に立ち上げ予定のストリーミング「ピーコック」は、五輪中継を起爆剤に見込んでいたが、その目論見も崩れた形だ。

さらに、カリフォルニアやニューヨークなどで人々の移動が制限された結果、同社のコンテンツ制作も中断せざるを得ない状況だ。2018年にコムキャストが買収したイギリスの放送局「スカイ」も、英国が3週間のロックダウンを実施中のため、厳しい状況に置かれている。

「現時点では、広告を含む当社の製品やサービスがどの程度の影響を受けるかを予測するのは、非常に困難だ」とコムキャストは述べた。

NBCユニバーサルは3月初めの時点で、12億5000万ドル(約1400億円)相当のオリンピック関連広告を販売していた。同社は、五輪の延期が及ぼす影響を最小限にとどめるための施策を、広告主らと協議中という。

株価の低下によりコムキャストは先月、時価総額の20%を失った。しかし、これは競合のディズニーよりはましな数字だ。コムキャストの売上の大半は、NBCユニバーサルやスカイではなく、ケーブル事業からもたらされている。しかし、今後は消費者や企業の予算の引き締めにより、ケーブル部門でも苦戦が予想される。

ピーコックは、4月にベータ版を立ち上げた後、7月に本格始動する予定で、自宅にこもりがちな人々の支持を集めそうだ。期待された五輪中継はキャンセルになったが、NBCユニバーサルは「ロー・アンド・オーダー」や「サタデー・ナイト・ライブ」などの人気コンテンツを豊富に用意できる。

さらに、競合のDisney+やHBO Maxが有料コースのみであるのに対し、ピーコックには広告つき無料版もある点がアドバンテージといえる。

NBCユニバーサルの広報担当は声明で、IOCらが東京五輪の開催を2021年に延期したことを全面的に支持すると述べた。「当社はIOCと東京組織委員会が来年、例外的な大会を開催し、オリンピックの炎で再び世界を一つにし、トンネルの先に光を灯すことを信じている」と広報担当は続けた。

編集=上田裕資

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